Funky Honey





「ん……ッふ……――!」

薄暗い一室の中で芸に良く仕様されるトランポリンやブランコといった独特の物が並ぶ中。ホークス・アイはタイガーズ・アイを壁へと押し付け、激しい口づけを交わしていた。

「ッ……ん……ちょ、ホークス…」

こんなところで、そんな言葉は発せられずに唇へと吸い込まれた。逃げようとする腰を引き、後頭部を押さえてひたすらにその綺麗な唇に貪りつく。タイガーズ・アイも次第に力が抜けてゆき、口内に舌がもぐり込んできたその時には体を全てホークス・アイへと預けていた。
2人のキスはいつもセックスよりも情熱的だ。角度を変え吸盤のように吸い付いては離し、とろとろの口ん中を余すとこなく舌で掻き混ぜる。歯茎をなぞり、互いに唾液を交換しすればタイガーズ・アイの身体はぴくんぴくんと面白いくらいに跳ね上がる。舌を甘く噛まれればがくんっと脚から力が抜け落ち、ホークス・アイが大丈夫ですか、と笑いながらその体を支えた。

「前々からタイガーズ・アイの服装は趣味が悪いと思ってましたけど、こんな時はその黒パンツ、すごく良い代物」

「ッ……いきなりなによお」

「だってほら、勃ってるのが直ぐ分かっちゃいますからね」

え、と視線を下に移せば其処は存在を主張し、きついから早く出して、と訴えかけているかのように盛り上がっていた。そんな、まさか、と首を横に振るタイガーズ・アイにホークス・アイは吹きかけるように囁いた。

「キスだけで感じちゃいました?」

頬が熱くなったのが分かった。



♂♀




「ひッ、あ、あッん、やぁああ――」

背中を壁に預けて、片足をホークス・アイに持ち上げられているという不安定な体制で2人は繋がっていた。立ったまま、なんて初めてだった。力の入らない脚で体重を支え、ホークス・アイにしがみつく。「意外と力あったのね」とタイガーズ・アイは密かに胸の内で思った。

「ああぁッ、ああ、ん、やぁあッ」

「ここ?」

「ぁあ、あぁん!ひぃあぁ、んぅ、そ……こ……ら、めええッ!」

「良いんでしょう」

腹側のしこりを擦り上げる度にどんな娼婦よりも甘美に、妖艶に、タイガーズ・アイは喘いだ。その声はまるでたっぷり煮込んだアップルを乗せたシナモンケーキにカラメルソースをかけたように蕩ける程に甘い。がちがちのペニスからは先走りが落ち、膨れている。

「あぁあ、んッ!お、く…あたる……ッ……ほーくすッ!ぁああ、ああッ、ん!」

「く……ッ……可愛いですよ」

「んぁああッ……!か、わいく…なんか…ぁああ、ああッ!」

ゆらゆらとタイガーズ・アイお気に入りのシルバーピアスが腰の動きに合わせて揺れる。首筋に吸い付けば紅い華がそこには舞った。ちょっとした征服感。ホークス・アイは気分を良くして既に悦楽に嵌まってしまっているタイガーズ・アイを更に追いたてた。

「あ、あ、ああぁッ…!ひ、あ、ん――ッ!ほーくすう…ッ……ぁあッ、ん、すき、すきいぃッ!」

「ん、く、…僕は愛してますけどねえ」

「ぁああッ――!ぼ、くだって……あいして、る、もん…ッぁあ!」

壁が反対側に倒れてしまうのではないかという程に激しいペニスの抜き挿しに、タイガーズ・アイは頭の中がくらくらした。ずぷっ、ずぷっと卑猥な粘膜の擦れる音は徐々に大きくなり、2人の太股はいやらしい液でぬめぬめと光っている。加えて荒い呼吸音やら湿る肌がぶつかる音やらがその場を官能な雰囲気にさせていた。

「あぁ、ああ、ああ、ん――ッ!ほ、く……す…!ひぃあ、あぁ、ぁあッん…!」

タイガーズ・アイが喉を反らして一層啼いた。瞳からほろりとしょっぱい涙が零れ落ちる。2人の腹に暖かいものがかかり、ホークス・アイはそのアナルの締め付けに強烈な吐精感に満たされた。肉壁が精液を絞り尽くすかのように蠢き、一番深い所で精液を注ぎ込む。2人は深い呼吸を繰り返しながら、糸の切れたマリオネットのように床に座り込んだ。

「……疲れたわ」

「…僕の方が何倍も疲れてしたよ。脚抱えてあげたんですから」

「だから部屋でやれば良かったのに」

どろりと脚の間から放ちたての精液が伝う。気付けば辺り一面の床は如何にも情事してました、と言わんばかりに汚れていた。これ誰が後始末するのよ、と唇を尖らせるタイガーズ・アイにホークス・アイはやっぱり部屋でやるべきでしたねえ、と暢気に答えた。その後全てを拭き取って此処を離れようとすると、タイガーズ・アイが甘ったれた声で手を差し出してこう言った。

「おんぶしてよ」

立てないもん。
小悪魔のように首をかしげるその姿に再び欲情してしまったのはホークス・アイの胸の内だけに秘められた。





Funky Honey





お題Largoさま。
やっぱりこの体制無理あったかも





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