あいまいにしないで





「そんなに緊張されるとやりにくいんですけれど」

そう言ってホークス・アイは服を捲り上げたところで動きを止め、眉が下がり、不安色に染まったタイガーズ・アイの瞳を覗き込む。

「は、初めてなんだから仕方ないでしょ」

強がってはいるが何をされるかあまり解らず不安でいっぱいな彼。そんな心情を悟ってか、ホークス・アイは押し倒した身体を優しく抱き寄せ、首筋に唇を這わせるとくすぐったい、と声が飛んできた。上着の下から手をするりと入れ込んで程良い筋肉のついた腹筋、そして胸筋をなぞって乳首を撫でた。

「ひぃあ!」

「ちょっと、なんて色気のない声出すんです」

「どこ触ってんのよ!」

「胸ですけれど」

摘まんでやると小さく口から漏れる声。身震いをし、唇をきゅっと結んだその姿はとても可愛らしい。

「や……だめ、だめだってば…ホークスアイ…」

それでも頑なに拒む様子は変わらない。本来ならば、いやとかだめ等の単語は相手を煽り立てるだけのスパイスであるがそこはホークス・アイ。仲間を大切にする彼は胸の突起を弄る手を引いて身を起こした。

「嫌ならやめましょうか?」

「え」

「僕も貴方には気持ち良くなってもらいたいんですよ、気乗りしないようならまた今度でも大丈夫です」

にこりと笑うホークス・アイの笑顔がとても寂しく感じられた。タイガーズ・アイは何も言えずにただベッドを降りる彼を見つめる。そうしてお休みなさい、と言ってホークス・アイは去っていった。ただぽつんと残されたタイガーズ・アイは胸に穴の空いたような虚無感に襲われ、ぎゅっとシーツを握り締めた。





あいまいにしないで




お題Largoさま。続きます



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