ゆり→日向×ユイ



▼ゆり→日向×ユイ<<独白、中途半端










 ……男女の友情は成立たないのだと、いつだか誰かが言っていた。


 その時の私は、そんなことない、なんて、笑って否定したのだけれど。


「……本当に成り立たないなんて、思いもしなかったわ」


 ぽつりと呟く。


 見下ろしたグラウンドは、馬鹿みたいにいつも通りの光景で。



「――んだとコルァ!!!」


「――そんなの日向センパイが悪いんじゃないすかっ!逆ギレしてんじゃねぇっすよ!!!」


「――てめ、こら……!」


 ぎゃあぎゃあと遠くで言い争う二人のやり取りを、頬杖つきつつ眺めて、……溜め息。


 これでも大分痛みは和らいだ、とは思う。


 慣れたと言った方が、正しいかもしれない。


 ――まだ戦線が出来たばかりの頃。


 そう。それはまだ、日向くんと私ぐらいしかメンバーもいなかったような頃。


 せめて私は、あの時に気付いておくべきだったんだ。


 この気持ちに。


 はにかんだ日向くんを見て、自覚するべきだったんだ。


 それが例え、結果的に全く報われることがなかったにしても。


 ……永遠に変わらない関係などないのだと、わかっておくべきだったんだ。


(日向くん)


(……さよなら)


 愛にならなかった愛が、小さく、消えた。


 

 
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