救世主
「あ…そんな…どうして…。」
切れたチェーンを手に取り私は膝をついた…。
これじゃあ、もう…
走れない…。
今から自転車を押して行くこともできるが
残り40q、遠すぎる…。
自然と、涙がこぼれた…。
「いや、嫌だ…私…真護の所に帰りたいよ…。」
勝てると思ったのに…。
新開くんから解放されると思ったのに…。
また、あの地獄へ帰らないといけないの…?
「た…助けて…。真護…。」
すると、俯く私の視界に鍛え上げられた足が映る。
「大丈夫か…?花佐部。」
「あ…。福富くん…。」
私を助けたのは意外な人でした…。