心愛と信愛 | ナノ

私は幸せ者だよ。


分からない。という答えに迅は
「なら、今度の合宿の後暇か?」
「えっ…?」
二週間後に総北高校自転車部は強化合宿が行われる。
伊豆にあるスポーツサイクルセンターにて行われる過酷な合宿だ。
それの後か…。体調面で不安もあるけどな…。
「た、多分暇かな…?」
「よし、なら一緒に仮デートするぞ!」
「はぁ!?なんで、迅と…」
迅はニヤニヤしながら
「お前に1日女としての体験をさせてやるよ!」
「大体お前が女の子が行くような店を知ってるのか?」
迅には無縁過ぎる場所だ。
「そりゃ…頑張る…。」
迅は困った顔をした…。
やっぱり何も考えて無いらしい。
迅らしいと言えば
確かに、迅らしい。
「ははっ♪俺…いや私も調べておくよ」
迅は、嬉しそうな顔をした。
「おぅ!ありがとよ!」
「そうだ、迅。」

女だとバレても
まだ迅にだけだ…
「なんだ?由香。」
「私はまだ自転車競技部で皆と一緒に走りたいんだ。
だから、私が女だってことは内緒にしてくれるか?」
迅はまかせろと言わんばかりのどや顔で
「おう!あたりめぇよ葵!」
そうして迅は嬉しそうに帰って行った。


私は幸せ者だよ。
お前のような良い幼馴染みがいて…。

私は空を眺めた…。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -