心愛と信愛 | ナノ

出会い


桜花開く時…
「今日から総北高校の1年か…頑張らないと」
私は、そう言って自転車をこぎ総北高校という新しい場所へ向かった…。

私の名前は花佐部由香。
女である。

だが、家の事情で男として育てられ
名前も花佐部葵とてして今を生きている。
だから、制服も男子の制服を着ていたし一人称も「俺」にしていた。バレたことは一度もなかった。

入学式も終わり放課後、今日仲良くなった友達の秋人に話しかけられた。
「なぁ、葵」
「ん?どうした…」
すると秋人はニッコリと笑って
「お前は部活どこ入る?」
「んー…考えてないな…」
「じゃあ!今から見学行こうぜ♪」
と言って私の手を掴んで無理矢理見学にいく羽目になった。

私は中学の頃は卓球部をやっていた。
余り目立たなくかつ人との接触が少ないからだ。
色々と見学してグランドの側を秋人と歩いていた。
「俺は陸上部かなー中学時やってたし、葵は?」
「まだ決めてない。」
「一緒に陸上部入るか?」
それは嫌だ、陸上部のユニフォームは色々危ないから…。
「嫌だ」
「えーー!何でだよー!」
「嫌なのは、嫌なんだよ」
「えー!」
だらだらと喋り、そして秋人と別れた。

自転車置き場に行き
どうせ、また卓球部だろうと思いながら自転車に乗ろうとしたとき
「その自転車競技用だろ?」
「えっ…」
後ろから不意に話しかけられたので肩がビクリとした
「すまない、驚かせるつもりはなかったんだが…」
「いえ、こちらこそすみません」
と、振り向けばそこには…

坊主頭の眼鏡をかけた男がいた。

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