心愛と信愛 | ナノ

こんなことになるとは…


「待たせたな、迅。」
「おう…おおお!!?お前葵か!?」
女の姿をした私に迅が驚きを隠せない…。
普通はそうだろう…。
いきなり、友達か女装しだしたのだらか…。

「迅、映画館でカップル割り引きあるから、それ行って来なさい♪」
迅のお母さんは満面の笑みで言う
「ええ!?ちょっ…かーちゃん!!」
焦りが隠せない迅に
「そうそう♪今日は葵じゃ無くて、
由香てっ名前よ♪」
それは私の本名だった。
「え…おっ…おお…」
戸惑う迅、
「行ってらっしゃい、迅!ちゃんと由香ちゃんをエスコートするのよ♪」
迅のお母さんは強制的に私達を送り出した。

二人で映画館までの道のりを歩く。
「お前…ほんとに、女みたいだな…。いや、女にしか見えねぇよ…。」
そりゃ、女だからな…。
「お…私だって…こんなことしたくなかったよ…。」
恥ずかしい…。

まさか
パンを買いに行った結果がこうなるとは…。

「な…ねぇ、迅。「下の名前で呼ぶなよ、恥ずかしいだろ!」
迅の顔が真っ赤だった。
「仕方ないよ…おれ…私達はカップルなんだから」
それに、いつも下の名前で呼びあってるじゃないか!
「それより、もう少しゆっくり歩いて欲しい。」
ヒールのある靴なんて初めて履いたよ…。
なんて歩きにくい靴なんだ…。
「お…おう。すまん…葵…じゃ無くて由香。」
迅は、歩くスピードを落とした。

ガッ
えっ…!?
ヒールのある靴が溝に引っ掛かり私はバランスを崩す。
前の人にぶつかる。
「あっ…すみません!」
謝るために下げた頭を上にあげる。
「…!?」
「ん?この声は…花佐部か?」

まさか、こんなところで出会うとは…。

目の前に居たのは
ぶつかったのは
この声の主は

金城だった…。


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