心愛と信愛 | ナノ

ヒトメボレ


ある日私は大学で授業を受けていた時だった。
「ねぇ由香♪」
横から友達の莉沙が小さな声で話しかけてきた。
「今授業中だよ…。」
「まぁまぁ先生おじいちゃんだから聞こえてないって」
講師の先生は大分年老いていたため余裕の表情を浮かべていた。
「はぁ…それでどうしたの?」
「今私達の席の前方あそこ格好良くない?」
彼女が指差す方向を見やると金の目立髪色の男がいた。
「あの金髪の人?」
「違うって…その隣の人ご飯食べてる人。」
その横を見るとパワーバーをかじる赤い髪の男。
「てか由香あの無表情な人と私の貴公子間違えないでよね…」
莉沙はムッとして私をにらむ。
「ごめんてっ…」
ここで授業が終り私達は出口に向かう。
その時私の肩にぶつかり持っていたものを床に散らした 「あ……!」
大勢の人が居るためぶつかった本人は何処かへ行ってしまった。莉沙は私に心配の声をかけ男の後を追ってしまった。
「もう…莉沙てっば…。」
私は落ちたものを拾い確認すると鍵が無かった。
「どうしょう…そんな…。」
私は周りを見渡しても何処にもない…。
大事な家の鍵なのに…。
私はショックの余りへたり込んでしまった。

「大丈夫か?」
私の前に現れた一人の男が鍵を差し出す。
「あ!これ…私の、ありがとう。」
私は顔を上げると
あの金髪の男の人がいた。
「立てるか?」
手を差し出してくれたのでその手を取り立ち上がる。
「すみません。」
「ああ、あの話か…。」
「え?」
「全部聞こえていたぞ。」
そう莉沙の話だ。
「すみませんでした!」
私は頭を深く下げる。
「頭を上げろ。」
私は頭を上げるとつい驚いてしまった。

「由香とぶつかった奴こらしてめ……て…?!」
莉沙の横を彼が通りすぎ莉沙は思わず固まる。
「あ、莉沙…。」
「あ、莉沙じゃないわよ!あの無表情となんか話したの!?」
「うん。あの人無表情じゃないよ?
とっても可愛くていい人だったよ。」
唖然とする莉沙。
「いい人は兎も角…可愛いてっ…
由香頭可笑しいんじゃないの!?」
「そうかな……。」
「絶対そうだよ!!」

私は思う。。
きっとこれは¨ヒトメボレ¨だと。

これが出会いだった。
無くした物を探してくれた彼。
福富寿一との出会いである。







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