心愛と信愛 | ナノ

壁ドン企画4 箱学A


7.葦木場拓斗
「由香ちゃん、また雪ちゃん見てるね。」
「うぇ!?そっ…そんなこと無いよ!!」
オレは最近由香ちゃんの事が気になる。
そんな由香ちゃんは雪ちゃんが気になるみたい。
どうしたらいいのかな…。
「そうだ…。」
「…?葦木場くん?」

ドンーー!

オレは彼女の横の壁を思いっきり叩く。
「あ…葦木場くん!?大丈夫!?」
「あれ?由香ちゃん何とも思わなかった?」
「怖く感じたけど…。どうしたの?」
「あれー…違ったかな…。気にしないで由香ちゃん」
オレはこの前見た東堂先輩の本に壁ドンで落ちるてっ書いてたのにな…。
オレは由香ちゃんの背中を見詰めながら首を傾げた。



2.黒田雪成
黒田くんは女子にモテる。
ロッカーの中は今日もラブレターが山積みだった。
「わぁ…何時も凄いねぇ…。」
「あ、ああ。」
「私は黒田くんよりも、誠実な泉田くんの方がいいと思うけどなぁ…。可愛いし…。」
黒田くんは手紙を手に取りため息をついた。
「なぁ、花佐部。」
「ん?」
「なんつーか、お前は俺の事どうよ?」
「別に何とも。」
「もうちょっとねーのかよ!」
私は首を縦に振る。
拾え終えた黒田くんを確認してから教室に向かう。

ドンーー!

向かう先を彼の手によって遮られる。
「花佐部のバカが…。
俺はお前が好きだってのに無関心かよ…。
俺はなお前の事が気になり過ぎて夜も眠れねーんだよ」
真っ赤な彼を見るとついつい笑ってしまった。
「あははっ♪…黒田くん何のドッキリ?
それにそんなドッキリは他の女の子にしたら良いよ。」
私は黒田くんの腕を退けて教室に向かった。
「あ、おい!待てよ!今のは本気なんだって!」
黒田くんは私を追いかけるが女子に囲まれてしまい前に進めなくなってしまった。
そんな黒田くんは溜め息混じりに小さく呟いた。
「相変わらず鈍いな…あいつ…。」



3.銅橋正清
俺と花佐部は放課後一緒に勉強していた。
「あれ?銅橋くん…この問題てっどうしたらいいの?」
「んあ?どれだよ?」
俺は後ろから花佐部の椅子に手を掛けノートを見る。
シャンプーの良い臭いがする。
たまんねぇな…。
「銅橋くん?」
「うおっ!?」
つい気を抜いていたせいで我に返った時に手を滑らせる

ドンーー!

「……どっ…銅橋くん…。」
やっちまった…。
片手は何とか壁を押さえたが
もう片手は花佐部を抱き締めちまった。
「すっ…すまねぇ…!今退く!」
「ううん、このままでいて。」
「え?…お、おう。オメェがそれでいいなら…」
「暖かいね銅橋くん。」
微笑む花佐部に心を撃たれた。



4.新開悠斗
隼人くんの格好いい顔と違って
可愛い顔してるなぁ…隼人くんの弟…。
二人きりの部室でボーとっして彼を見つめていると
流石に気づかれてしまった。
「オレの顔に何かついてます?」
「あ、いや、可愛い顔してるなぁてっ。」
「オレ女の子みたいですか?」
「少女願望な所とか凄く可愛い♪」
悠斗くんは照れたように笑う
「由香先輩てっ兄のことどう思います?」
隼人くんの事を言われて思わず目を反らす。
「真っ直ぐで格好いい顔立ちだなぁ…。」
悠斗くんは私をジーと見つめる
「ゆ、悠斗くん?」
「由香先輩、顔……。」
「へぇ!?何か付いてる?」
私は急いで顔を拭う。

ドンーーー!

悠斗くんは私の後ろの壁に手を付ける。
「安心して下さい。取るだけですから。」
悠斗くんは微笑む。
「あ、ありがとう。」
手が私の顔に触れ…唇を重ねられた。
「……ゆ…ゆ、悠斗くん!?」
悠斗くんはツボにはまったように深く笑う。
「由香先輩最高ですね!兄も気に入る訳だ!」
「隼人くんが!?何言って…!」
笑い終えた彼は怪しく笑い
「兄は由香先輩のこと好きなんですよ?
まぁ、でもオレも好きなんですけどね♪」
「えぇ!?そんなっ…!」
戸惑う私の耳に顔を寄せ
「だから、兄への恋心を取ろうとしたんですよ。
でも、由香先輩は結構一途なんですね。
オレ妬いちゃいます。」
こうして呆気に取られた私を置いて部室を出ていってしまった。





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