心愛と信愛 | ナノ

ルート2 兎の家の道


私は結局兎の家のある道を通り兎の家の前にいた。
「ここを通らないといけないって真波くんが…。」
私は意を決してドアを叩いた。
「待ってて今出るからさ」
そう聞こえた。
そう言ってから10分位たった頃
扉が開き夕焼け色の髪の男が出てきた。
「はじめまして。由香と言います。
真っ…。友達に言われてここに来ました。」
私は言いかけてしまったが堪えた。
真波くんは言ってた。

二人きりのときは他の男の名前は出してはいけないよ。

その忠告を守らなくては…。
「ああ!彼の事かい?」
「えっ?分かるんですか?」
「真波くんだろ?さっき訪ねて来たからね。」
「あのっ…私はどうしたら…。」
彼は私の背中に手を添えて家へ招き入れた。
「さぁ!入って!入って!歓迎するよ!」

お洒落な部屋…。
でも1つ思ったのは沢山の女の人の肖像画。
それだけが異質さを醸し出していた。
「はい、由香、ココアあげる。」
「あ…ありがとうございます。」
彼からホットココアを受け取る。
「まぁまぁ!そうかしこまらないで座って!」
彼は二人がけのソファーに着き隣を叩く。
「あっ!はい。」
隣に座ると彼はニコリと笑う。
「はじめまして。俺は新開隼人、この家の住人だ。」
「はじめまして。」
「可愛いね、由香。」
「ありがとうございます。」
私はホットココアを口に含む。
何とも言えない味がする…世界が違うからかな…。
ココアとは言いにくい飲み物だった。
「由香、それ口に合わない?」
「いっいえ!とっても美味しいです!」
美味しく無くてもここは美味しいてっ言わないと。
そんな気がした。
「それは良かった♪俺達気が合うね。」
「…?」
「いや、こっちの話…かな?気にしないでくれ。」
「あっ…はい。…?」
新開さんはこちらをマジマジと見つめていた。
なんだろう…恥ずかしい…。
「君…良いねぇ…。」
「え?」
その時だった、
彼は私の首筋に顔をやり舐めた。
「ひゃあ!新開さん!止めて下さい!」
私は新開さんを押し退けた。
「ああ…すまない。素敵だったからつい…。」
「どうしたんですか?」
「大丈夫だから、安心してくれ。そうだ!
お詫びと言っては何だけど聞きたい事はあるかい?」
「聞きたい…こと?」
「例えばお茶会の行き方とか?この世界のこととか?」
「それは是非教えて欲しいです!」
「ははっ♪良かった。俺は何でも知ってるからね。」
「何でも…?」
「うん、何でも…。」
「なら、私の大事な人の話とかでも…?」
真護の居所が聞けるのかも知れない…。
私はそう思った。

「ああ、知ってるよ。
でも、俺は明確な名前がないと特定出来なくてね。」
「えっ?」
そう……これは真波くんの忠告を破ることになる。
男の名前は出してはいけない。
ここは諦めるべきなのかな…。

「あのっ…新開さん。」
「ん?なんだい?」



☆★☆★分岐☆★☆★
ルート1 真護について聞く
ルート2 お茶会の行き方について聞く
貴女はどっち?


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