心愛と信愛 | ナノ

再会


オレはあれから走りに走った。
現実から目を背けた。
「由香ちゃんが…由香ちゃんが…。」
オレの頭の中に不協和音が鳴り響く。
古い弦のバイオリンの音
寂れた金管楽器の音
オレの指揮棒は折れてしまった。
腐った音がオレを痛め付ける。

ピピピピ…!
「うぁあ!?」
オレのケータイが音を立てる。
急いでケータイの画面を見ると
相手は雪ちゃんからだった。
「もっ…もしもし!雪ちゃん!」
「おっ…!珍しく繋がった。
あのな、今ウチの学校に
スゲー美人な子が来てるんだか」
「オレは興味無いけど…。」
由香ちゃん以外には…。
「それがさ、お前を探してるんだって!」
「えっ!?オレを?……。オレなんかしたっけ…?」
「とっ!とにかく学校に来い!」
「うぇー…。分かったよ」
「急げー」
オレは雪ちゃんの言葉を最後まで聞かずに切った。
そして急いで箱学まで向かった。
何度か道に迷ったけど…。


箱学の門前。
そこには雪ちゃんとが居た。
「あ!雪ちゃん♪」
「おせーよ!何時まで待たせんだ!」
「えへへ…ごめん♪」
「あーもう!さっさと来い!」
雪ちゃんに背中を押され教室へと向かう。
そこにはビックリする位の人だかりがいて
「わぁー凄い人ー」
「それだけ美人なんだよ!」
「そうなんだーでもなんでオレに?」
「知らねぇよ!バカ!兎に角早く教室入れ!」
雪ちゃんに背中を押され教室に入った。

「もう…うるさいなぁ…。」
「あっ!葦木場くん!」
「えっ…?この声は…。」
そこに居たのは由香ちゃんだった。


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