心愛と信愛 | ナノ

君にもう会えないのか…。


あーあ…。
なんで…?
何を…思って…こんなことを…?
オレはコースを逆走しているんだ?

結局オレはレースを最悪の結果にしてしまった。
福冨先輩からは無期限活動停止を言われた。

なんて事をしてしまったんだろう…。
オレはベンチに座り込み
「ごめん…由香ちゃん…。」
ふと呟いた。
「なーんで花佐部に謝ってんだ!」
「えっ…?」
隣に黒髪の男が座った。
「あ…。純ちゃん…。」
「よっ!飲むか?」
純ちゃんはオレにアクエリをくれた。
「あ…ありがとう。」
「今日はどうしたんだ?」
「あ…えっと…オレ、勝てると思ってたのに
あんな結果になるとは思わなくてさ…
気付いたら…逆走してたんだ…。」
「そうなのか…。」
「……。」
純ちゃんは自分のアクエリを口に含んだ。

「花佐部、スゲー心配してたぞ。」
「えっ…!?由香ちゃんが…!」
「なんかな…スゲー気に病んでたぞ
会ってやったらどうだ?」
「それは出来ないよ。」
「は?」
オレが口を開こうとした時純ちゃんのケータイがなった。しばらく純ちゃんは話をしてから
「すまん!先輩が呼んでるからオレ行くよ!」
「あ…うん、またね純ちゃん!」
「おう!」
一人になったオレはため息をついた。
「オレにはもう…自転車は無いのか…。
ごめんよ…由香ちゃん…。」

もう君に会えないのか…。
オレは悔しくてそっと涙を流した。








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