心愛と信愛 | ナノ

使命感と違和感


遂に大会の日が来た。
足柄山ヒルクライムレース大会。
絶好の晴れ空…心地いい。

福富先輩、新開先輩の為にも勝つんだ!
「おい!葦木場!
エントリーしに行かなきゃ駄目だろ!」
「あ、雪ちゃん。来てたんだ。」
「お前の初レースだしな。
それに例の彼女てっのも見てみたいしな♪」
雪ちゃんはニッと笑った。
「おっ、そう言えば彼女てっ何処の学校なんだ?」
「由香ちゃんは…千葉の…あ…聞き忘れてた。」
「はぁ?馬鹿か!
なんで聞いとかねーんだよ!」
あの日は余りにもショックで聞くの忘れてたんだ。
千葉の…何処だろう…。
オレは視線をエントリーシートに移す。
「あ…。総北。」
総北は純ちゃんの居るところだ。
純ちゃんに会えるんだ♪
「総北てっ千葉最強だろ?」
「えっ…そうなの?」
「おう、まぁウチに比べれば弱いけどな」
「へぇ…そうなんだ。」
エントリーを終わらせ回りを見渡す。
純ちゃんを探すために
こういう時に背が高いのは便利だ。
「あ…居た。純ちゃん。」

オレの視線の先に白色の車の所に彼は居た。
思わず彼の元に急いで歩みよった。
いや、寄ろうとして止めた。
「純ちゃ……。」
純ちゃんの側に駆け寄る女の子が見えた。
一瞬、純ちゃんの彼女かなてっ思って様子を伺うと
その彼女は由香だったのだ。

二人はただ用具のチェックの為に話して居るだけなのに
オレは不快で堪らなかった。
「葦木場?どうした?」
雪ちゃんが様子が可笑しいのに気付き声をかけた。
「いいや、なんでもない。」
「ところで総北の所行かないでいいのか?
もうすぐレース始まっちまうぞ?」
「うん、大丈夫。レースの準備しなきゃ」
「…?」
「行こう、雪ちゃん。」
「ああ」
こうして足柄山ヒルクライムレースが始まった。
胸に使命感と違和感を持ちながら。




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