心愛と信愛 | ナノ

ドタバタ(鏑木姉、銅橋夢)


ある秋のこと…。
私は弟の一差と箱根温泉に来ていた。
先にお風呂を上がった私は
弟を待つためにロビーに居る。

すると前方に大男が現れた。
大きい人だな…と思っていると
なんと近付いてきたのだ……。
「え…嘘…こっち来る…。」

「なぁ、隣いいか?」
「え、あ、はい。」
緑色の髪の大男は私の横に座ると
「お前…可愛いな…。」
「はい!?」
いきなりのナンパ…!?
ここは何とか離れないと…。

「あ!私…ちょっと御手洗いに…。」
「あ…おう、すまねぇ。」
何とか離れたけど…。
どうしよう…。
一差が戻ってきてるのも分からないし…。
でも、ずっとここに居るのも…。
まぁ…でも悪そうな人では無かったかな?

5分位たった時だろうか、外から言い争う声が聞こえる。
「おい!テメェふざけんじゃねーぞ!」
「なんだよ!このブタ!」
ん…?
この声は……一差!?
急いで外に出てみると大男と一差が言い争っていたのだ。
「一差!止めなさい!」
「だってこのブタがよ!」
頭を下げて大男の顔を見ると驚愕していた。
「…?」
私は一差の方を見て
「一差、知り合い?」
「おん、IHで戦ったんだ。」
「あー成程ね…。」
私は大男の方を見て
「一差がバカやってすみません…。
ほら!一差も謝りなさい!」
「…すまんかった…。」

大男は気まずそうな顔をしている。
「どうかしましたか?」
「おい!オレンジ頭、このお嬢さんはオメェの何だ?」
「姉ちゃん。」
「ナァ!!??嘘だろ!」
「ほんとだよ。」

大男は私に近付いて両手を握る
「お嬢さん。名前は?」
「鏑木由香です…。」
「おい、姉ちゃんに何してる?」
「オメェは黙ってろ!」
「由香さん、オレは銅橋正清てっんだ。
良かったらオレとお付き合いしてくれねぇか?」
瞬間時が止まったような沈黙の後
「「ええーーーー!!!!!?????」」
私と一差は思わず叫んでしまった。

「え!?あの!そんな事いきなり言われても…!」
「駄目か?」
「えっ…!あ…の…そのですね…。
心の準備も無くて…。」
おどける私に割って入る一差。
「俺は反対だね!!
ブタが義兄さんとか死んでも無理だね!」
「俺だってオメェが義弟とか無理だけど
由香さんが彼女なら我慢できるぜ?」
「無理!無理!なぁ?姉ちゃんもブタは無理だろ?」
「え…!?あ…。」
「付き合ってくれるよな?」
「は…へっ…?」
「そりゃぁ…初対面てっ事も有るけどよ。
これからお茶でもしてくれりゃあオレという男の良さが分かる筈だ!」
「え!?これからお茶するの!?」
「おうよ!奢ってやっからよ♪」
「なら、俺も奢れ!」
「黙れ!オメェは自腹だ!
てか、一生風呂入っとけ!」
「なら、姉ちゃん連れて行かさねえ!」
「はぁ!?オメェに何の権限があんだよ!」
「兄弟権限だ!」
「あーー!もう!分かったよ!
オメェも奢ればいいんだろ?」
「ふん!それでいい!」
「クソッ…。」

私の意見なしに話が進んでいく。
どうやら今からお茶しに行くようです…。
まぁ…一差が銅橋さんと仲良さそうだからいっか♪
楽しそうだしね♪

こうして私達は足を進めた。









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