心愛と信愛 | ナノ

モノクロ


△月○日
今日は待ちに待った福富くんとの映画の日。
映画を観て、お茶をして、ショッピングして楽しかった。
福富くんからのプレゼントが嬉しかった。
そして何より福富くんが私の事を好きだって言ってくれた。
私も福富くんが好きでした。
毎日会えるのが嬉しくて一生居たいなてっ思う位に。
でも、ごめんなさい。
私には福富くんの全てが分からない。
だから、福富くんの全てを愛せない。
ごめんなさい、福富くん。

「…由香。」

そして涙でグチャグチャになったページには
¨私には色が分からないの¨
と書かれていた。


俺は全てを悟った。
横断歩道が渡れなかったのも
林檎と梨を間違えたのも
色鉛筆を貰って喜ばなかったのも
全てが納得がいったのだ。

俺は由香の手を握りしめた。
次目を覚ましたら、二度と離さないために。
「すまない。
俺は君の事を知ってやれなくて。
それでも俺は君を愛しているんだ。
頼む…!目を覚ましてくれ…!」
握りしめた手に温もりが伝う。
「…!?」
俺の手の上から手が添えられていた。


「福富くん…ありがとう。」
俺は顔を上げると
そこには由香が今にも泣きそうな顔をしていた。
俺は思わず由香を抱き締める。
「もう…二度と会えないかと…!」
「私…あのね…色が分からないんだ。
福富くんの髪の色も福富くんが好きな林檎の色も
一本だけ無くした色鉛筆の色も…」
「それでもいい。
俺が愛しているのには変わりはないんだ。」
由香は思わず泣き出してしまった。
子供が泣くようにワンワンと…。
俺は由香が泣き止むまで腕の中に包んだ。

「福富くん…。私も愛してる。」
「由香。俺も愛してる。」
俺は由香に口付けをした。



花佐部由香。
彼女の世界には色が無い。
モノクロの世界で生きる彼女には残酷だった。
赤と青分からない横断歩道は地獄だった。

危険と恐怖の中で怯えながら生きてきた。
そんな彼女は一人の男と出会った。
彼女のモノクロの世界は変わらない。
けれども、彼女の心の世界は変わった。

見える世界が違えど
二人の愛は変わらない。
そして永久に離れる事は無いだろう。




END‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
モノクロ最後まで呼んで頂きありがとうございました。
福富くん可愛いですね♪
きっと福富くんなら彼女大事にする人ですよ!
私もこんな素敵な人がいいなぁ…てっ思います♪

他の作品も宜しくお願いします。
ではではお疲れ様でしたー!

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