心愛と信愛 | ナノ

色鉛筆の持ち主


「福チャン!?おい!どうしたんだヨ!」
俺は事故にあった方にゆっくりと足を進めた。

頼む…。
この¨色鉛筆¨の持ち主が由香でなないでくれ…。
まだ、¨あの言葉¨の意味を聞いてないんだ。
俺はまだ君が好きなんだ。
由香…!君の事を愛しているんだ…。

「すみません、通して下さい!」
野次馬達の群れを掻き分けるなか
沢山の野次馬達の声が聞こえる。

「女の子だわ…。」
「まだ若いのに可哀想に…。」
「おいおい…結構ヤベェだろ…。」
「生きてるか?」
「色鉛筆?」
「でも、この子確か赤信号で渡ってたよね?」
「あー信号無視?」
「自業自得じゃない?」
「自殺…?」
「頭から血出てるよな…。」

嫌な予感しかしなかった。
寒気が止まらない。
「頼む…!」

俺は野次馬の先頭に
事故現場の真ん前に出た。
「あ…あぁ…。」
俺はその場に膝を付いた。


そこに倒れていたのは紛れもなく…
由香だったのだ。



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