心愛と信愛 | ナノ

次こそは彼女に…。


部活が終わり一人の男が階段に座っている。
夕日が彼を照らしていた。
男は空を見つめ涙を流す。
「由香…ごめんな…俺は君に嘘を吐いてしまった。
ただ君を守りたいがために…君を傷付けてしまった。
俺は君をアイツの毒牙から守れなかった…。」
大粒の涙が男の頬を伝う。
「ごめんな…ごめんな…ごめんな…」
何度も謝罪の言葉を繰り返す。
一人の女への謝罪の言葉を…。

「新開、お前は花佐部のことをそこまで思っていたのか。」
男は顔を上げる。
「寿一…。」
「新開…俺でいいなら話を聞こう。」
男は涙を拭い寿一に笑みを投げるかける。
「ありがとな…寿一。」
「気にするな中学からの仲だからな」
寿一は男の隣に座る。
男はホッとしたのか全てを話した。
寿一は一つも嫌な顔をしないで聞いてくれた。

「だから…俺は…由香を救えなかった。
俺は臆病な男だよ…。今頃、由香はアイツに…!」
寿一はアイツがそんなことをしていたなど知らなかった為か驚きが隠せないでいた。
「荒北がそんなことを…していたのか…。」
「ああ、俺は全て知ったいた…なのに…俺は彼女を救えなかった。」
「なら、今からでも出来るんじゃないか?」
二人の間から突如現れた男に驚く
「じ…尽八…!」
「由香を独り占めするとは…怪しからん奴だな!
美形の王子様が助けに行ってやるぞー!!」
男は苦しそうな笑みをして
「はははっ…尽八なら王子様になれるさ」
「新開…。」
「まずはアイツの家に行こうか♪
待ってろよー!由香ー!」
三人は足を進めた。


男の心には
¨由香を救いたい気持ち¨
¨由香に謝りたい気持ち¨
そして…
もし由香を救えたのならば
その時は…由香に本当の気持ちを伝えよう。


¨貴女のことを心から愛している¨と…。










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