心愛と信愛 | ナノ

自ら鎖を外す


急いで階段を駆け上がり教室に入る。
「…あ…!」
教室には彼がいた。
「お?どーしたノ?由香 チャン」
「あのっ…荒北くん…!その…おはよう。」
「…。オハヨ♪由香 チャン」
私は荒北くんの腕を握りしめた。
「あ?デートのお誘いかぁ?」
「違う!そのっ…大事な話が有るから部活の後空けておいて欲しいの…。」
「…ヘェ…。」
「ダメかな…。」
「全然大丈夫だから」
荒北くんは私の腕を握り返す。
「新開には内緒の話かァ?」
「えっ…。」
「そうか…。分かったヨ。」
「ありがとう…荒北くん…。」


部活が終わり片付けの最中に
「由香、このあと時間あるか?」
「隼人?どうしたの…?」
隼人が申し訳なさそうな顔をしていた。
「ちょっとさ…大事な話が有るんだ…。」
「大事な話?」
隼人から大事な話…?
「ああ…実は…」
隼人が口を開いた瞬間
「由香チャン!行くぞ!」
突然現れた荒北くんは私の腕を握り走り出す。
「うぁ!ちょ…荒北くん!?
隼人っ…!ごめんね、明日聞くからっ!」
「由香 ?!」
隼人は私の腕を掴もうとするも一歩届かず。
というよりは、
私が彼の掴もうとする手から逃げた。
逃げて…しまった…。

私達は長い道のりを走った。
彼は追って来ないみたいだ。
隼人なら追いかけて来るのに…。
「着いたぞ。」
彼は足を止める。
「えっ…公園…?」
辿り着いたのは近所の公園だった。
「どうして…ここなの?」
「由香 チャン、
公園のの向こうに横断歩道があるだろ?」
確かに公園の向こうには横断歩道があった。
「うん…。」
彼は笑みを見せると口を開いた。
「そこでテメェは事故にあった。」
「えっ…痛っ…あぁ…!!」
頭に激痛が走る。
信じられないほどの激痛が…。
そして耐えられなくなった体は
強制的にシャットアウトした。







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