心愛と信愛 | ナノ

メルアド


いきなりの東堂の言葉に
困惑の表情を見せる花佐部。
「あの…ど、どこかでお会いした人ですよね…?」
「うむ、そうだ。」
「確か…福富さんの…」
「おぉ!覚えてくれていたのか〜!
俺の名前は東堂尽八、美形クライマーだ!」
「あ、私は花佐部由香です。」

東堂はメンバー花佐部の顔を
マジマジと見つめた。
「あの…なにか…?」
「フクとな今来ていてな皆で勉強会をしているのだ」
「えっ…福富くんが…!」
キョロキョロと辺りを見渡す花佐部。

「ほらァ手振ってやれよ!」
荒北が背中を叩かれ。
俺は花佐部に向かって手を振る。
すると気付いたらしく笑顔で振り返してくれた。

「ところで由香よ。一緒にいる彼は彼氏か?」
「…!?」
シャーペンの握る手に力が入る。
「あっ…違うよ。お兄ちゃんだよ♪」
花佐部の兄が東堂に会釈をする。

「うむ、兄上か…。将来は俺の兄…痛っ!」
気付けば荒北は東堂の後ろにいた。
「バァカ!席に戻れ!」
「まだ口説いてないぞ」

「…!?」
アップルパイが喉につまる。
「寿一!?大丈夫か?」
新開を手で制して花佐部の方へと視線を向ける。

「ハァ!?バカ言ってんじゃねェ!」
荒北は東堂のYシャツの襟を掴み連れて帰る。
「せめて…メルアドだけでも…!」
「やめとけ!東堂ォ!」
「あのっ!」
花佐部が二人を呼び止めた。
「あ?」「む…?」
二人の動きはピタリと止む。


「もし良かったらメルアド交換してくれませんか?」



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