心愛と信愛 | ナノ

会えない辛さ


俺は家に帰り
花佐部から貰った梨を口にする。
甘くておいしい。
「花佐部…。」
ふと、彼女の名前を口にする。

「また、会えると良いですね♪」
彼女の言葉が頭を過る。

俺は彼女に確実に惹かれている…。
会うたびに思いが深まる。
また、会いたい。

思いを馳せながら瞳を閉じた。


朝になり鳥の声が聞こえる。
今日は部活が休みだ。
ケータイが音をたてる。
着信だ…。
「もしもし、福富だ。」
「フク〜!!今日暇か?」
着信相手は東堂だった。
「まぁそうだが…。」
「ならさぁ、このあとファミレスで四人で
勉強するのだが来るか?てか、来てくれ!!」
「ああ、分かった。」
「あとだな…フクよ。」
「む…?」
「次にあの子に会ったら連絡先聞くのだぞ♪」
「えっ…あ、ああ。」
俺はファミレスに向かうことにした。

連絡先を聞くか…。
俺にできるのか…?
それに、彼女はケータイを持っているのか…?
そんなことを考えながら道を歩く。

そういえば…
行き道の途中にあの横断歩道があったな。
何時も出会うのは夕方から夜に掛けてだが…。
まさか…こんな朝には流石に…。

「やっぱりか…。」
横断歩道には誰も居なかった。
会えないという事がこんなにも辛いとは…。

俺は青になった信号を渡る…。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -