また、会えるだろうか…。
俺は三人と合流した。
「フク〜!荒北が酷いんだよ〜!」
東堂が俺に飛びつく。
「む…そうなのか?」
「テメェがバカなこと言うからダロ!」
「いや、荒北は実際酷かった。」
「オイ!テメェ!新開ィ!」
荒北が二人を叩く。
相変わらずの光景。
「なぁ…フク…。」
東堂は俺の横につき
「あの後あの子と何かあったか?」
ニヤニヤしながらこう言った。
「いや、特には…。」
「バァカ!福ちゃんはお前とは違うんだよォ!」
「ほんとかよぉ!フク〜!」
東堂はがっかりした。
「いや…彼女と信号を渡る間は
俺の袖を掴んでいたな…。」
「なぁは〜!!」
東堂は目を輝かせる。
「へぇ…やるな♪寿一。」
「で…名前とか聞いたのォ?」
新開と荒北も加わる。
「いや、名前は聞いてない。
だが、あのアップルパイは彼女が作ったモノだそうだ。」
「フクは林檎好きだもんな〜♪」
「あのアップルパイは旨そうだったぞ。」
俺は彼女の匂いを思い出す。
「ああ、いい匂いだった。」
また、会えるだろうか…。
名前も知らないお前に…。