心愛と信愛 | ナノ

握り潰されたパワーバー。


今日は部活が休みだからショッピングモールに新開くんと来ていた。
「新開くん!どうかなこれ、似合う?」
ネックレスをつけて新開くんに見せた。
「ああ!とっても似合うよ、可愛い過ぎる。」
最近、誉め言葉が多い気がする。
「なあ、由香」
「どうしたの?新開くん」
ネックレスを取りながら新開くんの方を見た。
「俺さ…最近好きな人が出来たんだ。」
「そうなんだ!良かったね♪」
すると、新開くんは照れたようにうつむいた。
「どんな人なの?」
これは、気になる…。
すると、彼は自分の頭に手を置き
「小さくて、可愛くて、優しくて、暇さえあればいつも俺の側にいて、まるで…」
彼の言葉が止まった…。
「まるで…?」
新開くんは私を見つめて…
「由香の…「由香…?」
「えっ…?!」
私は後ろを振り返る
そこにいたのは坊主頭の眼鏡をかけた男。
「あ…!し…真護!」
金城真護。
私の人生を変えてくれた人。
私の好きな人。
私は真護の方へ駆け寄った。
「まさか、こんな所で会えるとはな…。」
真護の笑顔につられて私も笑顔になりながら
「私も、真護に会えて嬉しい!」
真護は私の頭を撫でた。
「くすぐったいよー♪」


この時
私は知らなかった。
彼が私達を見つめながら
手に持っていたパワーバーを握り潰していたことを…。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -