心愛と信愛 | ナノ

常連客から…(田所夢)


俺の家はパン屋だ。
町では結構評判がいい。
「いらっしゃい…。また会ったな。」
俺のパン屋に訪れた一人の常連客。
名前は…聞けてねぇ…。
彼女は毎週土曜日の8時に必ず訪れる。
俺はそれが楽しみで仕方がなかった。

「おはようございます。田所さん。」
「おぅ!1週間振りだな!」
「今日は…。メロンパンをください。」
「おぅ!任せろ!」
彼女は何時もメロンパンを1つ頼む。
「何時もそれだな…他は頼まねぇのか?」
「いえ、私、メロンパンが好きなんです。」
もう、1年目だぞ…。
ん…?1年目か…!
「今日で1年目だな…。」
「フフッ♪そうですね。」
俺はメロンパンを2つ入れる。
「田所さん。私、メロンパン1つてっ…」
「1年記念だ!オマケしてやるよ!」
「ありがとうございます。」
「その代わりなんだが…。」
彼女は首をかしげる。
「お前ぇの名前を教えてくれ」
「私は花佐部由香です。」
「俺は田所迅だ。」
彼女は笑った。
「…?何が可笑しいんだ?」
彼女はメロンパンが入った袋を受け取り
「迅くん。私、貴方の店のパン大好きですよ。
次はオススメのパン教えてくださいね。」
「おぅ!任せろ!由香。」


彼女は常連客から
俺の知り合いになった。

来年は友達か…。
再来年は親友か…。

そしたら、次は恋人か…。








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