心愛と信愛 | ナノ

許し(金城視点)


「お願いします!由香を女として生活させてあげて下さい!」
俺は由香の父親に拒絶されて以来毎日のように家に通った。
そして、何度も頭を下げた。
全ては由香の為に。

「無理なのは無理だ!目障りだ…。」
答えは分かっているのに…。
由香の父親に帰れと言われるだけ。

でも、俺は帰るものか!
由香の為に何度も何時間も頭を下げた。
俺が助けるって言ったんだ!
諦めてたまるものか…!

「お願いします!」
由香の父親は呆れている。
「さっさと帰りなさい。」
「俺は由香が好きなんです!」
すると由香の父親の顔が真顔になった。
「娘もお前の事が好きだと言っていた。」
「由香が?」
「ああ。アイツの口からは自転車の事かお前の事ばかりだった…。」
由香が俺の事を…!?
俺は腹をくくる。
由香を女としてではなく、
俺の彼女として…!
「お願いします。由香を俺に下さい。」
「…。考えておく…。」
俺は由香の彼氏になれるのだろうか…。



そして、
田所の家で由香の父親に
由香が女として生きる事を許してくれた…。

そして、去り際に
「娘を頼んだ…。」と、聞こえた…。




俺は拳を強く握りしめた。







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