心愛と信愛 | ナノ

再開


迅は私の手を握り走る。
「迅…。」
「お前ぇは黙ってろ…。」
迅は一度もこちらを見てはくれない。
心が痛い…。
ごめん…迅…。

「待ちなさい。迅。」
迅の前に迅のお母さんが立ち塞がる。
「すまねぇ…母ちゃん。」
迅は頭を下げた。
「迅…。私はアンタに幸せになって欲しいの」
「そりゃ…俺は幸せだけど…。」
迅のお母さんは辛そうな顔をする
「なら…」
「でもよ…由香を幸せに出来るのは金城だけなんだ。」
そう言って迅は迅のお母さんの前を通りすぎる。
「すまねぇ…母ちゃん…。」
最後に一言残して…

私達は走る。
一言も会話を交えずに…。
胸が苦しい…。
悪い事をしているみたいで…。

そしてたどり着いたのは迅のパン屋だった。
「行ってこい…。由香。」
迅は私の背中を押す。
私は押されて店の中に入る。
「あっ…し…真護。」
店の中には真護が居た。



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