心愛と信愛 | ナノ

初日


今日は俊輔に連れられて屋敷内を案内してもらった。
とても、大きな家…高価な物ばかり…。
やっぱり、私とは世界が全然違う。
息苦しい…よ…。

私達は食卓で一緒に晩御飯を食べる。
広すぎるテーブル…テレビでしか見たことが無い食べ物。
「美味しい…。」
俊輔は微笑み
「由香に気に入って貰えて嬉しいよ。一流のシェフを呼んだ甲斐があるよ。」
まさか…私の為に…?
「あの…俊輔…。」
「ん?」
「私…悪いよ…こんなに良くしてもらって…。」
私は俯く。
俊輔は私に近づき両手で私の頬に触れ私の顔を上げる。
俊輔と私の瞳が合う形となる…。
「そんな事気にしなくていい。俺は由香が好きだから、由香が俺を好きになって欲しいから、勝手にやってるだけだ。」
「俊輔…。でも、私…。」
「大丈夫。由香は俺を愛しようとしてくれればいい。」
すると、彼の顔が段々近くなる。
「…!」
気づけば、唇と唇が触れるまで数センチまで近くなっていた。
「しゅっ!…俊輔…!止めて!」
私は俊輔の身体を押し返す。
そして私は慌てて席を立ち彼から距離を取る。

「ああ、すまない。」
彼は少し悲しそうな顔をした。
やってしまった…。
「わっ、私こそごめんなさい!」
「いや…いいんだ。俺が早まり過ぎただけだから…。」
彼は手を私の前に差し出す。
「俊輔…。」
彼は微笑み
「大丈夫。次は何もしないから。」
私は彼の手を握る。

そうして…私は一日目を終える…。

あと、六日…。
私はどうなるのかな…?








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