心愛と信愛 | ナノ

引き裂かれた二人


私は…花佐部家は
古くからある神社を持つ家系です。
その家では長男は一年に一度、
祭りで舞を踊る決まりがある。

でも、例外が存在する。
家に男の子が産まれなかった場合だ。

その場合は女の子が男の子として生きる事…。
その女は男だとバレてはいけない…。
その女は、女である事を望んではいけない…。


なのに…私は…
全てを破ろうとしている…。
「私は女です。」
私はお父さんを睨む…。
「お前は…自分が何を言っているのか分かっているのか!!」
「お姉ちゃんは女だよ!お父さんはなんで何時も綾乃には良くてお姉ちゃんにはダメなの?可愛いお洋服も、素敵な髪飾りも…全部全部!」
綾乃はお父さんに必死に訴える。
「綾乃は黙ってなさい。」
そう言ってお父さんは綾乃の手首を掴み家へ無理矢理引き入れる。
「葵…。お前には教育が足りないようだ、一から叩き直してやる。」
そう言って私も家へ引き入れる。

「由香!」
真護は私の元へ向かおうとするも押し返された。
そして、お父さんは真護に冷たい眼差しを向けて
「アイツの人生をこれ以上壊さないでくれ。もう二度とアイツと関わらならいでくれ。」
と言って扉を閉めた。


私はベットの上で涙を流した…。
お父さんは私に…
「もう、アイツとはお別れだ」と言ったのだ。
手元には…新しい高校のパンフレットがあったのだ。



真護…私、嫌だよ…。
皆と…真護と離れるのが…。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -