短編集 | ナノ

ドラマ薄桜鬼大ヒット御礼舞台挨拶

――守りたいものあらば、鬼になれ。

そんな印象的なキャッチコピーとともに発表されたドラマ薄桜鬼。
発表されてからというもの、各誌のドラマ前評判ランキングは常にぶっちぎりの首位独走状態。
新選組という時代劇ものとしては定番かつ人気の題材に、今までに無かった【鬼】という要素を入れ彼らの生き様…男の背中を描く今ドラマは、歴史ファンだけでなく多くの女性達の注目も集めた。
…それもそのはず。
内容も然ることながら、キャスティングが大いに話題を集めたのだ。
役名=出演者という特殊性の中で、演劇界きっての実力派や大御所俳優の名前があると思えば、今期注目株の若手俳優に売り出し中の新人、俳優業初挑戦の各界著名人もその列に名を連ねている。
勿論期待の声が高まる一方で、これらのある意味烏合の衆と言っていいような出演者に不満の声もあった。
しかしそんな声も、彼らの姿が全国に映し出された第一回の放送でなりを潜める。
幕末の動乱の中で強く儚く美しく散っていく彼らの姿は、日本に一大旋風を巻き起こし、ラジオなど様々な展開がなされ、視聴率は初回から20%を超えその後も順調に伸ばし、最終回には30%超えを記録する近年稀に見る大ヒットドラマとなった。

1期終了後2クール空けて始まった第2期では、鬼というオリジナル要素を最大限に生かし今までにない【新選組の最期】を描き、妥協の無い展開は「毎回が最終回だ」と毎週毎週視聴者達の涙腺を崩壊させた。
こうして数々の金字塔を打ち立てたドラマ薄桜鬼シリーズであるが、昨年には新選組の前日譚を描いた第3期、薄桜鬼黎明録が放映され、これまでのシリーズとはまた別の視点から彼らの黎明を語った今ドラマは新たなファン層も獲得し、年間ドラマランキング堂々の1位を飾った。
また地上波放送一切なしのDVD限定ドラマ薄桜鬼雪華録も発売され、本編では語られることのなかった彼らの一面にファン達を沸かせた。

そして今年。
寂しさを感じながらも一区切りついたと思われていた薄桜鬼シリーズから、衝撃発表が。

――薄桜鬼完全新作、劇場版薄桜鬼二部作にて制作決定!!

このニュースは、すぐさま全国を駆け巡りメディアはこの話題一色となった。
そしてこれを記念して、チケット倍率がとんでもないことになり当落の日には人々を阿鼻叫喚の渦に突き落とした2期終了後の大ヒット御礼舞台挨拶のダイジェスト版をメインに、薄桜鬼キャスト陣が当時を振り返る特集番組が地上波で放送されることになった――。


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