第十九話「三つのお菓子」
「スナフキン!
今日はおいしいお菓子をもらったのよ」
ミク姫はそう言って
三つの袋に入ったクッキーを
遊びに来たスナフキンに早速見せた。
ミク姫が見せたチョコチップクッキーは
スナフキンの手のひらぐらいのサイズだ。
「それは嬉しいね。でも三つ?」
「あ…」
ミク姫は少し考えてから
「一つはムーミンにあげて。
あなたの親友なのでしょう?」
「…ああ。そうだね。
そうするよ」
スナフキンは冷静を装ったが
(ミク姫はいつか
僕がムーミン谷へ帰るって分かっているんだな)
と思った。
クッキーをムーミンと食べる時
ミク姫とはどうなっているのか?
スナフキンは胸によぎった疑問を打ち消すように
「さあ、今日は何をしようか?」
務めて明るくミク姫に言った。
to be continued
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