第十八話「小さな事件」

どんよりと厚い雲が空にはあって

スナフキンは雨が降りそうだなと思いながら

今日もミク姫の部屋にやって来た。

「やあ、ミク姫!今日は少し肌寒いね」

そう言いながらスナフキンは

床に着地しようとしたが

「わ!」

「スナフキン?!」

足を滑らせてしまい

ミク姫は咄嗟にそれをかばおうとした。

「あ!」

バランスを崩したスナフキンは

ミク姫にもたれかるようになり

スナフキンの唇が

ミク姫の頬に触れた。

「ご、ごめんね!ミク姫!」

「いえ…大丈夫よ」

必死に謝るスナフキンだったが

しばらく二人は

目を合わせられなかった。

(こうやってドキドキするのは何回目だろう?)

スナフキンはそう思ったが

不思議と不快ではなかった。

むしろミク姫から出会ってから起きている

自分の変化を楽しんでいた。

(スナフキン…)

一方ミク姫は初めて感じたスナフキンの唇の感触が

忘れられなかった。


to be continued


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