第十五話「地震」

「それでね!その時に…」

ミク姫は熱心にスナフキンに

話をして

スナフキンも笑顔で聞いていた。

笑い声が部屋を満たして

二人とも楽しい時間を過ごしていた。

「え?」

地震が来たのはその時だった。

「少し大きいね」

「私…地震怖い」

怯えた顔になるミク姫は

すがるようにスナフキンを見た。

「大丈夫だよ」

そんなミク姫を安心させるために

スナフキンは笑顔でミク姫の右手を

強く握った。

「スナフキン!」

ミク姫はスナフキンに

抱きついてしまった。

そして揺れがおさまるまで

二人はそのままだった。

「…もう大丈夫だよ」

しばらくして揺れが止まると

スナフキンは優しく言った。

ミク姫の背中をトントンと

軽く叩いた。

「うん…あ!ごめんなさい」

ミク姫は慌ててスナフキンから離れた。

「ううん。

君が安心するなら、お安い御用だよ」

スナフキンは笑った。

でもミク姫は自分がしたことを自覚して

顔がしばらく真っ赤だった。


to be continued


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