第十一話「メリークリスマス」

12月24日

その日は孤独を求めて旅をするスナフキンにとって

あまり関係がない日だった。

だから

「いらっしゃい、スナフキン。

メリークリスマス!」

そうミク姫に言われて

内心スナフキンは驚いた。

「あ…そうか今日だったね。

メリークリスマス、ミク姫」

嬉しそうなミク姫に

つられてスナフキンも笑顔になる。

すっかり今日が何か忘れていたスナフキンだが

ミク姫が嬉しいとスナフキンも

嬉しくなるのだった。

「スナフキンにプレゼントを渡したかったけど

私は買いに行けないから…」

「そんなの気にしないで」

安心させるようにスナフキンは

微笑んだ。

本当にプレゼントはいらないと

スナフキンは思ったのだ。

「でもこの前ペンダントも…」

「僕は見返りは求めたくないんだ。

君が嬉しいなら僕も嬉しいよ。

でもそうだな。

君と過ごす時間がプレゼントだよ」

「スナフキン…」

ミク姫は感激して涙ぐんだ。

それからずっとスナフキンとミク姫は

ソファに並んで話をした。

それはいつもと変わらないけれど

クリスマスの魔法がかかったように

いつもより幸せな時間だった。


to be continued


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