第五話


「あーあー」

どうやって登ったのか

コマ三郎は天井の大きな柱を歩いていた。

自分の状況を知らず、楽しそうにずんずん進む。

「降りといで!」

「落ちちゃうズラ!」

「もんげー」

「危ない!」

四人は心配したが

コマ三郎が降りてくる気配はなかった。

見かねたコマさんが勇敢にもコマ三郎を追って

はしごをよじ登る。

「兄ちゃん!」

「気を付けるズラ!」

「下を見ちゃだめよ!」

コマさんが落ちそうになり

残った三人は見守ることしかできない。

そしてついにコマ三郎が落ちてしまった。

「もんげー」

しかし落下したところにお母ちゃんがいて

コマ三郎は跳ねとんだ。

ほっとしたのもつかの間、反動したコマ三郎は

更に高い時計台の大きなネジにたどり着いた。

「もんげーもっと高いところに!」

「オラ、最近お肌プルンプルンッズラからねー」

コマ三郎は慌てたが

お母ちゃんはのんきなことを言った。

「えへへへ」

コマ三郎は相変わらずネジを移動し

コマさんも後を追うが

今度はコマさんが落ちてしまった。

「コマさん!」

落ちたコマさんをお母ちゃんがまた受け止めた。

「ありがとうズラ!」

コマさんとお母ちゃんは微笑みあったが

ついにコマ三郎は

時計の鳩までたどりついてしまった。

そして、そのままコマ三郎は鳩と一緒に

外に飛び出してしまう。

「もんげー!」

「危ない!」

コマさんと未来が叫んだが

もはやその高さでは助けようがなかった。

そんな時、離れた木の太い枝に乗った少年が

パチンと指を鳴らした。


to be continued







素材はデコヤ様のものを加工しております。