第一話


未来は放課後

友達妖怪であるコマさん達の家に

行こうと思っていた。

家に帰る前にコマさんとコマ次郎に会うのが

なによりの楽しみだった。

しかしコマさん達は慌てた様子で

家から出てきた。

「あれ?コマさん達、どうしたの?

そんなに急いで」

コマ次郎はいつもと変わらない様子だったが

コマさんはかなり焦っていた。

「お母ちゃんからお手紙が来て

妖魔界に帰るところズラ」

「お母ちゃん、具合が悪いらしいズラ!」

コマ次郎が説明し

コマさんはその場で右往左往した。

「え?!それは大変だね!」

コマさんからお母さんの話はよく聞いていたから

二人のお母さんに対する想いは

未来にもわかっていた。

「あ!そうズラ!未来も一緒に行くズラ」

「それはいいズラ!

お母ちゃんに紹介するズラ!」

二人はいいことを思いついたと言わんばかりに

目を輝かせた。

「え?でも学校帰りだし…」

未来は制服を見て言った。

「すぐ帰ってこれるから大丈夫ズラ」

「いや、そういう問題じゃなくて…」

「一緒に行かないズラか?」

コマさんがしょぼんと聞いた。

「わかった、一緒に行こう!」

(そんな顔されたら断れないよ)

そう思いながら未来は二人と歩き始めた。


to be continued


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