いつでも君を想っているよ
ジル×ウィル R15


ウィルにまたこうして出会えた事を私はこんなにも喜んでいるのに、ウィルは酷く素っ気無い。というより、避けられているようにも感じてしまう。

どうしたものか…さすがの私も、ここまであからさまに冷たくされると落ち込むのだが…。

「はあ…」

「でかい溜息だな、ジル。どうしたんだ?」

パッと振り向くとソファに腰を掛けながらムスッとした表情をしているウィルの姿があった。

「おや?君から話しかけてくるなんて一体どういう風の吹き回しかな?」

「…はぁ?何だよ、その言い草。まるで俺がおまえの事避けてるみたいに言いやがって…。」

「違ったのかな?…ウィル、君から話し掛けて来たんだ、少し話をしないか?」

「…仕方ねえな…少しだけだぞ?」

久しぶりにウィルとお喋りが出来ると思うと、心なしか幸せな気分に浸れた。

「ウィル…手を繋いでもいいかな?」

「は?何気色悪いこと言ってんだ?」

「…相変わらず私の事が気に食わないみたいだね、君は。…もういいよ。」

「…おい。ちょっと待てよ…もういいってどういう事だ?俺に構うの飽きたのか…?」

ウィルの切なそうな声が胸に響く。振り向くと、ウィルが俯いていた。

その瞳から大粒の涙が一粒零れ落ちた瞬間、私はウィルを抱きしめていた。

「離せよっ…!おまえなんかっ…大っ嫌いだ…!」

「それはできない。嫌われていても、私の気持ちは変わらない。…私は君を愛してる。」

「…中途半端に優しくするな…惚れたんだったらとことん好きで居ろよ…!」

「ウィル…すまない、君を悲しませてしまったね。どうしたら許して貰えるかな?」

私がそう訪ねるとウィルは頬を赤らめ目線を逸らしながら呟いた。

「キス…してくれたら、許す…かも。」

「…ふふ、ウィルは本当に可愛いな。キスだけでいいのかな?」

「…それ以上したらぶっ飛ばす。ぶっ飛ばされてもいいんなら、好きにすればいい。」

ウィルはそう言って微笑む。そっとその白い頬に手を添えるとウィルはゆっくりと目を閉じた。

ゆっくりと唇を重ねると、啄ばむようなキスをした。

ウィルの腕が背中に廻されるのを感じ、私は初めて幸福感から涙を流したのだった。

「…泣いてんのか?ジル…?」

「あまりにも幸せすぎて、つい…ね。」

「おまえって、俺のこと大好きだよな…俺も好きだけど。」

「え…?ウィル、今…なんて?」

「一回しか言わない。つーか、言えるかっての…。」

ウィルはそう言うと頬を赤らめながら自室へと向かって歩き出してしまった。

実はちゃんと聴こえていたんだ。ウィルを困らせたかっただけ…。

「ウィル、何だか可愛かったな…毎日、こんな風だといいのだが…。」

いつだって素直じゃない君だけど、そんな所も含めて愛しいと思う。

これからも、ずっと、君の傍に居られますように。

end.
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