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事件解決のため、ただいまからナオミさん宅で張り込み開始です。


一体犯人はどう侵入してどう殺害するのか。そして殺害予告を出した理由とは何なのか。














明智探偵事務所 事件簿 Vol.5


















「お茶でも淹れますわ。どうぞソファにおかけになって」





ナオミさんに誘導され、ふかふかのソファに座る。








「やっぱ大豪邸だけあって何回見ても、こんリビングには圧倒されますねえ」

「ケンケンくんも?あたしも何だか落ち着かない」

「あのシャンデリアも大きかですねえ。こんな良か家住んでみたいばい!」







隣にいるケンケン少年とコソコソと話をしていたら、ナオミさんが紅茶とお茶菓子を持って来てくれた。おいしそう。






「浪越警部は別件で1時間後くらいに来るそうです」

「そうですか。では警部さんがお見えになったら、お食事にしましょう!」






先生と話すナオミさんは生き生きしていて、とても犯罪に巻き込まれている状況に置かれている人だとは思えない。

しかも相変わらずスキンシップが激しい。






思わずふくれっ面をしていたら、向かいに座っている長谷川くんと目が合った。長谷川くんはニヤリと笑って、うんうんと頷く。



まさか長谷川くん、あたしの気持ちに気付いてる…?







「あれ?ナオミさん、今日は旦那さんは?」



両手にお菓子を掴んで頬ばるナカヤマくんが尋ねた。



「あ、ああ…旦那は急ぎの仕事があって…今は書斎よ」

「そうなんですかー。むしゃむしゃ。大変ですね旦那さん。むしゃむしゃ」




むしゃむしゃと口を動かしながら喋るナカヤマくん。そして、なぜか急に俯きはじめたナオミさん。


どうしたんだろう?






「…ちょっとわたくしお手洗いに」



さっきまで饒舌だったナオミさんが急に黙り込み、サッとリビングから立ち去ってしまった。



何か様子がおかしい気がする。
先生もそう思ったのか、ナオミさんの後ろ姿をじっと眺めている。






「ねぇー、僕時間潰しのために漫画買ってきていいですかー?」



お菓子を平らげ、暇そうにしていたナカヤマくんが沈黙を破った。…いまいち空気読めないんだよね、この子は。




「すぐ帰ってくるならいいですよ。ナカヤマ少年一人じゃ心配なので名前、着いて行ってあげてください」

「は、はい」




先生にそう頼まれ、ナカヤマくんと玄関に向かう。しかし、ドアノブを押すが何故かドアが開かない。



「あれ?鍵開いてるのに…」

「裏口から出ます?」



裏口に向かい、ドアを開けようとするが、また開かない。押しても引いてもびくともせず、もう一度鍵を確認したが、やはり開いている。




「おかしいな…」

「名前さん、窓も開かないよ」



ナカヤマくんが窓を開けようとしているが、こちらも全く動かない。他の窓も試したが他同様ピクリともしない。




「………どうして?」

「えぇー、漫画読みたいよう」



悪い予感が過ぎり、サアーッと血の気が引いた。
ぶつぶつと呟くナカヤマくんを置いてリビングへと駆け戻る。







「せ、先生!大変です!」

「どうしたんですか、名前」




「…あたしたち、監禁されてます!」











張り込み開始早々、明智探偵団ピンチです。










(ええー!コロ◯ロコミック買いたかったのに!)


(ナカヤマくん君はまだ言うか)







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