02
「明智くん!大変だよお!」
ドタドタドタッと事務所に入ってきたのは、よく一緒に事件を解決してくれる浪越警部。
「どうしたんですか浪越警部」
「それがだね、あるご夫婦に殺害予告が届いたらしいんだ!」
明智探偵事務所 事件簿 Vol.2
「殺害予告ですか」
…なるほど。
あ、申し遅れました。わたくし明智探偵事務所の名探偵、明智竜太朗です。
ただいま新入りの助手、名前と談笑をしていたところなのに、浪越警部がやって来てしまいました。…なんて間の悪い。
あ、助手の名前とは、すごく可愛らしい女の子。とても気が利くし、コーヒーを淹れるのが上手です。
話は逸れましたが、殺害予告ですか。
「それって、どういった内容の殺害予告なんですか?」
名前が警部に問う。
「3日後の深夜、お前の旦那を殺しにいく…。そう書いた手紙が尾南ナオミ夫人の元へ届いたらしいんだよ」
「殺害予告を出した犯人は、夫婦と知り合いなのでしょうか…」
長谷川少年が首をかしげる。その隣でケンケン少年も唸った。
「どうやって殺すつもりなんだろう…怖いよう」
ナカヤマ少年が不安そうに顔をしかめる。君は怖がる必要はないんですよ、ナカヤマくん。
「とりあえず、ナオミさんと旦那さんに話を聞きにいこう。明智竜太朗がいれば、きっと あっさりと解決するさ!はっはっは!」
いつもの扇子を取り出し、豪快に笑う浪越警部。あーあ、せっかく今日は名前とゆっくり過ごせると思ったのに。(あ、でも資料見なきゃいけなかったんだっけ)
「よーし。先生、行きましょう!」
…まあ、名前も張り切ってることだし、いいとしますか。
(ぶっちゃけ仕事よりも、)
(名前や少年たちと過ごす時間のほうが楽しいのです)
(なーんてね)
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