milky cute.






「緩ちゃんてさー」
「んー?」
「超可愛いよね」
「はい?」



雑誌を読んでいる緩ちゃんを眺めていて、ふと思った。そのふと思ったことが気づいたら声に出ていた。


緩ちゃんは小柄で目が大きくて、パッと見女の子のように可愛い。前々から思っていたことだけど、改めて彼をじーっと眺めれば、やはりその可愛さは変わらない。



「いいなあ〜、緩ちゃんは」
「えー、なにがー?」
「わたしよりもずーっと可愛いもん」



依然として雑誌に目を向ける緩ちゃんの背後に回り、後ろからぎゅっと彼を抱きしめる。


すると緩ちゃんは雑誌を置いて、彼は自分のお腹に回っているわたしの手を優しく撫でた。



「何言ってんの、可愛くないよ」
「可愛いよ。すごく可愛い」
「名前のほうが可愛いって」
「うそだー、そんなことないよ」



ぎゅ、と腕の力を強くすれば、緩ちゃんは少し呆れたようにふふっと笑った。



「ばかだなぁ、名前は」
「へ?」
「名前は俺の好きな女の子なんだから、名前のほうが可愛いに決まってるじゃん」



彼の言葉に、胸がきゅんと疼いた。


彼の表情は見えないが、きっといつものように可愛い笑顔で笑ってるんだろうなあ。そんな彼の笑顔が見たくなり、するりと腕を解く。


すると緩ちゃんはこちらを振り向いて、わたしの髪をさらりと梳くった。



「わかった?」
「…はい。ありがと」
「あはは、照れてる」



可愛い、と呟いて優しくキスを落としてくれる緩ちゃん。ゆっくり目を開ければ、もう一度唇を寄せられた。


何度か唇を重ねた後、緩ちゃんにもたれかかれば、今度は彼がわたしをぎゅっと抱きしめた。



「ねぇ、名前」
「なにー?」
「俺のこと可愛い可愛いって言うけどさ、俺も男だからね」
「…へ?」
「それだけは覚悟しといてね」



にこにこと笑う緩ちゃん。…可愛いけど、少し黒い笑みに見えるのは何故だろう…。


でも、やはり可愛い緩ちゃんが大好きだ。
わたしも可愛くなる努力をするから、ずっとずっと、可愛い二人でいようね。
















milky cute.



(じゃあ今夜は可愛い緩菜から男の緩菜になろうかな)

(下ネタやめーい!)




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