貴方と私と雪


「白銀って…」

ふと立ち止まって小さく呟く。

「どうしました、絢那さん?」

彼も立ち止まって私の方を見た。
後ろ姿もだけど正面から見るとまた…

「綺麗だよねぇ…」

私の言葉を聞いて彼は一瞬だけ
驚いたような表情をしたみたい。
でもすぐに笑って

「そうですか?」

と小首をかしげて言う。

降りしきる雪が一段と
白銀を綺麗に見せているようで
このまま雪と一緒に消えて
いってしまうんじゃないかって思う。

「絢那さん。」

「え?あ、あの…白銀?」


いつの間にか白銀が目の前にいて
私の視線の高さに合わせて体を
屈めて顔を覗き込むようにしていた。

ち、近い…

こんな美人に近距離で見つめられ
私の頬は当然赤くなっていく。

「ふふっ…色づいた可愛い頬の絢那には雪がとても似合いますね」

そして頬にキスをする。

「わ、私より白銀の方が似合ってるよ!!」

相手を見上げて強く言ってみる。

すると彼は微笑み

「ありがとうございます」

と呟いた。

ぎゅっと彼の手を握って私たちは
雪の降る道を歩き出した。


ねぇ…

どうしてそんなに綺麗なの?

どうしていつも微笑んでいるの?

どうして?どうして?

私はわからないことばっかり

でも一つだけわかること。


貴方は私を好きで

私は貴方が好き。


これだけわかっていれば

もうなにもわからなくていいよね?

私はそう思うよ。白銀。


end.

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