立海のみんなと温泉旅行(幸村)

今日は立海Rのみんなと温泉旅行、言い出したのは赤也。
そして今、温泉に入ってるわけなんだけど…。


赤「やっぱ、温泉は良いっスね〜!」

真「うむ。疲れが癒される。」

『ねぇ…。』

ブ「なぁ、みんな!風呂から上がったら卓球で勝負しようぜぃ!」

ジ「お、いいなソレ。」

比「確かに、面白そうですね。」

『ねぇってば…。』

幸「クスッ…俺もやろうかな、卓球。」

仁「じゃ、俺も参加するかの。」

蓮「赤也が負ける確率98%」

赤「ちょ、マジっすか!?」

『だから!私の話聞いてよ!!』

赤「さっきからなんすか、絢那先輩。」

『なんで、混浴なの!?私は一人でゆっくりしたかったんだけど!!』

そう、私は皆のほぼ真ん中にいる。
普通に女湯かと思ってたら何故か皆が居て戻ろうと思ったら何故か湯船に浸かっていた。

赤「いいじゃないッスか〜、みんなで入った方が楽しくて。」

『でもっ……!』

比「そうですよ、せっかく皆で来たのですから。」

『確かにそうだけど………!』

仁「一人なんて淋しいやつじゃのう。」

『……。』

………もう駄目だ。
これ以上抵抗してるとのぼせそう。
しかもなんか精市のオーラが黒くなって来てるような…。
危険信号じゃん!


ブ「なぁ、早く卓球しようぜぃ!」

仁「あぁ、そうじゃな。」

幸「もちろん絢那もやるよね?」


『はいはい!やりますよ!!』




『………疲れた…。』

幸「フフッ…すごく頑張ってたね。まさか弦一郎に勝つなんて。」

やっと一人になれるかと思い、部屋に入ると、ふたつ並べて敷かれた布団の上に精市がいた。

『ちょっと待って…ねぇ、私って一人部屋だよね?』

幸「うん。『だった』ね。」

『過去形?……まさか、ね。』

幸「一人じゃ寂しいよね?」

『あはは…そうですねー。ありがとうー。』

さわやかな笑顔が黒いオーラが漂ってますよ、精市さん。
そして…さらば私のフリータイム。



幸「絢那、こっちにおいで。で、そこに座って?」

『はいはい。』

幸「ねぇ、何ふてくされてるの?…可愛い。」


言われるまま精市の隣に座った。
ため息をして、顔を俯かせた視線の先…もとい私の膝の上に精市の頭が。

『なんで膝枕?』

幸「絢那は良い香りがする…落ち着くな……。」

『……もう、どうでも良くなってきた。』



気付けば私は無意識に精市の頭を撫でていた。
精市の髪は触り心地が良くて、ふわふわとしてる。

幸「ねぇ、絢那……俺のこと好き?」

『なっ!?いきなり何を言い出すんですか!?』


さっきまで精市の髪に触れていた手が空をさまよう。
精市は私の手をとるとそのまま口元へ持っていき、やわらかくキスをおとした。

幸「俺は、君のこと好きなんだけど。」

『私は…』

恥かしさでまともに目を合わせられない。

『…す、き……。』


体を起こした精市と同じ高さでまっすぐと視線がぶつかる。






父「お父さんは許さーーーーん!!!」

『ええええええ!?』


押し入れから勢い良く現われたのは正真正銘、私の父親だった。


幸「あーぁ、良いトコロだったのに。」

父「絢那!許さんぞ!!お前はまだ中がk

『なんで、いるんだよ!てか、いつからそこにいたの!?』

ストーカーですか、お父さん?
生まれ初めて親を殴りたくなりました。
というか、殴るよ?


幸「お父さん、絢那はもう俺のものになったので安心してさっさと消えてください。」

父「何!?悪いがきみに『もう、いいから、帰ってよ!!!』




しばらくしてお父さんを追い出したあと、私たちの部屋に再びやわらかな時間が訪れた。


『…ねぇ、精市。』

幸「何?」

『大好きだよ……。』

幸「クスッ…ありがとう。俺は愛してるよ、絢那。」





そうして、騒がしかった温泉旅行は終了した。


end.


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