甘えん坊さんのわがまま

「ティエリア!!」

私は彼にぎゅっと抱きついた。
そして彼の胸に顔をうずめて泣いた。

2年ぶりの再会。

久しぶりに感じる彼の体温は
昔と変わらず心地よいものだった。

「すまない…ずっと1人にさせてしまったな…」

彼も力いっぱい抱きしめてくれる。
多少苦しくても全然気にならなかった。

「絢那…顔、上げて…」

優しい声で囁かれてどきっと胸が高鳴る。

涙でぐしょぐしょの顔を見せるのが
恥ずかしくて躊躇っていると頬に
彼の手が私の頬をそっと包むように
添えられ顔を上げさせられる。

「ティ…エ…」

そっと細くて長い綺麗な指で彼は
私の涙を拭ってくれた。

そして彼は誰もがその美しさに
魅了され見惚れてしまうような微笑みを
浮かべると私に優しくキスをする。

次第に深くなるキスに彼はまだ私を
愛してくれていると強く思った。

嬉しさがまた涙となって溢れ出す。
彼も同じようなことを思ってくれて
いるのか抱きしめる腕に力が入る。

唇が離れると私は袖で涙を拭って
満面の笑みを彼に向け

「大好き。」

と一言だけ言ってみた。

すると彼は頬を薄く赤に染め

「ありがとう…絢那…。」

と彼も一言だけ言った。

可愛い…可愛すぎるよティエリアさん!!
そう心の中で叫びながら勢いよく
彼の胸へと飛び込むようにして抱きつく。

「もっと好きって言って!」

「ああ…好きだ、絢那」





彼はまた戦いに行ってしまう。

今度こそもう会えないかもしれない。

だから

たくさんキスして

抱きしめて欲しい

久しぶりのわがままだから

これくらい許してくれるよね…?

end.

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2010.11.30.
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