生誕祭'09


「あ、居た。」

彼を探して早15分やっと見つけた。

近づくとこちらに気づいたようでふと視線を向けた。

「絢那?何か連絡か?」

「いや連絡ではないんだけど…」

彼はいつも通りすぎて調子が狂う。
まぁ、わかっていることではあるけれど。

「要件を忘れるほど馬鹿になったか?」

「そんなわけないから!」

今の言葉で本気で要件を忘れそうになった。

「そうじゃなくて…今日、ティエリアの誕生日だから…」

「ああ、知ってる。」

この声、私が何しようとしてるのか絶対に分かってそう…。

「そうだな、今年はキスしてもらおうか?」

ほら、私が何欲しいか聞くことわかって…
・・・・え?キスですか!?
私が戸惑っていると何故か勝ち誇ったようにティエリアが微笑んだ。

「早くしてくれ。なんでもくれるのだろう?」

「そんなこと言ってないし!」

「言わなくとも分かる。毎年絢那は同じことを言う。
それに、お前のことをこの僕がわからないとでも?」

催促するように彼は私を抱き寄せ顔を近づけた。
思わず頬が赤くなり視線をそらしてしまう。

「あと5秒以内にしてくれなければ別のことをしてもらうぞ?」

明らかに黒いオーラを帯びた彼に逆らえずチュッと唇に触れるだけのキスをした。

「・・・・・・・」

「ティエリア…?」

言われた通りキスをしたが不機嫌そうな彼に小さく首をかしげた。
すると私は彼に手をひかれ空き部屋に入った。

「ちょ、何!?」

「あれでは足りない。もっとしてもおうか?」

マジですか…。

でも、1年に1度だけの彼の記念日なのだから素直にわがままを受け入れた。

「大好きだよ、ティエリア。」

そう言って再びキスをした。



来年はどんなプレゼントがお望み?








end.

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