だって君は俺の所有物
いつだって君をそばに置きたい、
いつだって俺だけを見てればいい、
だって君は俺の所有物。
「─…なにやってんだ、おめェらは。」
昼間の屯所、俺の部屋へ入ってくるなり土方の野郎がそう低い声で吐いた。
「見て分かりやせんかィ、テレビ見てるんでさァ」
昨晩録画しておいた月9のドラマをゆずぽんと見ているところだった。ちょうど今、キ○タクが相手役の女とあれこれを…。
「や、とりあえず仕事中に思い切りサボってんのもそうなんだが」
そう言って奴は隣に座るゆずぽんを指さす。
「その首輪は何なんだと聞いてんだ」
ゆずぽんと目を見合わせた後、俺の手に握られている鎖とゆずぽんの首に繋がっている首輪を見て「あぁ、」と気付いた。
「縛ってるんでさァ、俺のモンなんで。」
『総悟は束縛屋さんだからね』
「ねー」なんて二人で言い合い、もう一度テレビに目をやればまた土方の野郎が言葉を吐く。
「それ束縛屋じゃなくて拘束屋ァ!昼間っから何ちゅうプレイ繰り広げてんだ!ドSバカとドMバカがァァ!」
それから長々と説教され、仕方なく首輪を外し外へ出た。(もちろんゆずぽんも連れて)
「くそ、あの野郎は頭が堅くていけねェや」
『まぁまぁ、首輪なくてもあたしは総悟のだから良いじゃない。』
なんてヘラヘラしながら隣で歩くゆずぽん。
確かに屯所で俺の女ともなれば、隊士も手出しはしない。(たまに隙あらばの奴はいるが)
ただそれは屯所では、という仮定の話。
「おっ、ゆずぽんちゃーんっ!昼間っからデートですか、見せ付けてんなァ」
『あ、銀さん!えへへ、良いでしょう』
町へ出ればそんなの気にすまいと口説いてくる奴もチラホラいるわけで、
旦那もそのひとりだったりする。
「銀さん妬いちゃうなー、また俺ともデートしてよ」
「旦那ァ、彼氏を目の前によくそんな誘い文句タラタラ言えますねィ」
呆れ半分、怒り半分でそう吐くとニヤリと笑い「まぁまぁ」と肩に手をやってくる。
「押してダメなら更に押せ!─って言うじゃない?」
「引いてください、旦那ァ」
そんな会話をしている間にゆずぽんは万事屋のチャイナや眼鏡と話をしていた。
「ゆずぽん、そろそろあんなサド捨てて万事屋に来るアル。銀ちゃん甲斐性はないけど愛情はいっぱいヨ」
「神楽ちゃん、それ沖田さんに失礼だよ。あ、でもまた万事屋遊びにきてくださいね、皆待ってますから」
そんな会話にもヘラヘラと笑って「ありがと」なんて返すゆずぽん。
そろそろ鬱陶しくなってきて、ゆずぽんの腕を取り歩き出す。
「それじゃァ、旦那。次、手出そうとしたら窃盗罪で逮捕してやりまさァ。」
そのあとチャイナに「お前は死刑な」と付け足すとキーキー言いながら罵声を浴びせてきていた。
そんなのお構いなく俺はゆずぽんの腕を引きながら歩いた。少しして公園を見つけそこで一休みすることにした。
『ふふっ、総悟ってばヤキモチ妬きなんだから』
「屯所を出りゃコレだから面倒くせェ、人のモンにすぐ唾つけようとすんだからねィ」
隣でまだヘラヘラ笑いながら喋るゆずぽんを見て、また愛おしいと思った。
顔を見るたび、声を聞くたび、キスをするたび、
コイツは俺のモンだ、と独占したくなるくらい愛おしい。だから証拠が欲しかった。
何か、他の誰も寄せ付けない、俺のしるし。
「─、ゆずぽん」
耳打ちするように口をゆずぽんの横に持って行き、隙を見つけ首筋に唇を落とした。
『っ、総悟、?ここ、外だよ?、んっ…』
そんな言葉お構いなしに俺は首に痕をつけた。
「首輪の代わりでさァ、」
そうニヤリと笑うと少し照れながらもまたヘラッと笑う。
『愛されてるね、あたしも。』
土方の野郎に怒鳴られるまで、あと二時間ちょっと。
バンバンバンバンバンバンバン
バン あとがき バン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
こちら過去LOGからでした。やっぱりドSな総悟たんが大好きなのでこうゆうお話しです。やられるがままの女の子が大好きです。