この恋、きみ色
※犬飼目線です
今はLTの時間。星月祭でやる出し物を決めている。
「みんなでプラネタリウムで神話解説とかしたい!」
「喫茶店はどうだ?学園祭ぽくないか」
みんないろいろな意見が出る。
委員長は黒板に"喫茶店"、"プラネタリウム"、と書いて、"他に意見が無いならこの2つで手挙げて貰います"、と言ったが、
「喫茶店は止めとけ。天文科も喫茶店らしい。東月が料理作るんだと」
と、担任が言った。
「マジかよー。東月には勝てねぇって」
「って事は強制的にプラネタリウムでいいよな」
と、委員長が言ったら、また担任が"確か星座科も使うとか言ってなかったか?"、と言い出す。
「まあ、プラネタリウムは俺の交渉次第だから、頑張ってみる」
そう言って、教室を出ていく先生。俺は隣の青空に話し掛ける。
「なあ、交渉成功すると思うか。……星座科と合同にならねぇかな」
俺がそう言うと、青空は笑って"それって犬飼君の願望ですよね"、って言われた。図星だった俺は、"うるせっ"、と短く返した。
星座科には俺の幼なじみの苗字名前がいる。名前は初恋の相手でもあり、まだ告れてない。これはいい機会かもしれないのだ。
そして、俺の願望は現実になった。
*=*=*=*=*=*=*
「たかー、ここどうすればいい?」
「あーそれは……」
星座科と神話科でペアを組んで、星座・神話解説をする事になったのだ。俺は、即行で名前にペアを頼んだら、すんなりOKを貰えた。クラスメイトには、"苗字と部活一緒だろ!譲れ"って言われたが無視した。
で、今は放課後。2人で解説用に調べた資料をまとめている。
「ありがとう。大分終わった」
「どう致しまして。あ、そうだ。当日一緒に回らないか?」
「いいよー。実は、月子と回る約束してたけど、当番が午前と午後に割れちゃって」
「そっか。ま、なら決まりでいいな」
さりげなく誘えたかな。そんな事考えていると、
「…………あのさ、一緒にスターロード来てください…」
名前が顔を真っ赤にして言ってきた。
それを見て、可愛いなって思ってる俺がいる。末期だな。てか……!
「スターロードって事は、名前いつから……」
俺は両想いだった事に驚いた。
「…えっと……、こないだのインターハイの時、かな……。あのっ、嫌だったら来なくていいからっ」
「嫌じゃない。寧ろ嬉しい。えっと実は俺も名前が好きなんだ」
名前は信じられなさそうな顔していた。正直、俺も信じられない。だが、俺の言葉が本当だと分かると、照れながら笑った。
ああ、また俺は名前に染まっていく。
▽詩緒莉4号さまよりコメント
こんな素敵企画に参加させて頂けて楽しかったです。読んで頂いた皆様に楽しんで頂けると幸いです。