こんな想い知らなかった

「名前!」



そうやって笑いかけてくれる梓くんにドキドキして、顔がかぁってなるのは、恋を知って始めて知ったこと。



こんな想い知らなかった



梓くんのことを好きだって気づいたのは、つい最近のこと。
はじめはただのクラスメイトだっていう存在だったのに、お話をしていくうちにいつの間にか好きだって気付いたの。



「名前って僕のこと好きなの?」

「えっ…あっ…梓くん!?」



放課後、梓くんと教室でお喋りしていると、梓くんは確信を持った顔でそう言った。
余裕そうな梓くんと違って、わたしはプチパニック状態で。
何を言えばいいのか分からなくなった。



「名前って、いつも僕のこと見てるからそう思ったんだけど…違う?」

「違わない…よ。梓くんのこと、好き…なの。」



いきなりのことにびっくりしたけど、わたしのことを満ててくれたっていうのが分かって、嬉しかった。
それに、気持ちを認めるのは怖かったけど、好きな人には嘘をつきたくなくて。
わたしは素直に認めることにした。
すると、梓くんは笑って「僕が気付いたの、名前のことが好きだから」と言ってくれた。
その言葉が嬉しくて、泣きそうになる。



「改めて言うよ。僕は名前のことが好きだよ。」


「わたしも、梓くんのことが好き!だから…」

「だから?」

「付き合ってください…!」

「もちろん。」



梓はそう言ってわたしを抱き締めてくれた。
恋って、叶うとすごく…すごく幸せになれるんだね。
わたしはそれを初めての恋で知りました。



end



▽あおいさまよりコメント
企画に参加させていただき、ありがとうございました!
楽しかったです。
皆さまに少しでも楽しんでいただけたら幸いです。





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