両難
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「ぅ‥‥。」


「あ!リナさん。リオンさんが目を覚ましましたよ」

「リオン!あんたねぇ!
いきなり魔法でつっこんでくる奴があるか!」

「そうですよ!
父さんじゃなかったら受け止めきれませんでしたよ」

「え。私アメリアさんのお父さんに突っ込んでしまったんですか!?」




この国の第一王位継承者に!?


大変なことをしてしまったと飛び起きればなんだか高級感溢れる部屋。


「えっと、ここって王宮ですか?」

「ああ、それにしてもお前さん。いつのまに魔術が使えるようになったんだ」

「昨日もいつの間にかはぐれちゃってますし」

「それに、その服どうしたんだ?」


次々に降りかかる質問にあわあわしてると

「あー!もうっ!質問は後よあと!」

リナさんがその質問を遮ってくれた


それにアメリアさんがはっとした様子でリナさんにうなずき返す


「そうですねリナさん。リオンさんも無事目が覚めたことですし」

「ベッドの上でぼーっとしてないで行くわよ。リオン」

「はい!‥‥え?どこに」


反射的に返事してしまったけれど、私も同伴で王宮の何処に?



「父さんのところです!」



「ッ?」


えっと、つまり?


アメリアさんのお父上ということはこの国の実質リーダーな、人望もある王子様で?

で?私はさっきその人に魔法纏ったまま正面切って激突して意識失って?



目覚めて早々、今からそのお方に会いに行くと。





サ──────・・ッと血の気が引いていく








「わ、私‥‥打ち首獄門とかなったりしませんか‥‥。」

「なんだ?そのごくもんって」

「お前さんなかなか惨いことをさらっと‥‥」

「父さんはそんなことしませんよ!」



「だあもう!ぐだぐだ言ってないで行くわよ!」


あぁ‥‥この世界にきて短い人生だったなぁ‥‥なんて重たい気持ちのままリナさんについていき、またまた王宮の一室らしい重厚な扉の前に辿り着いた


毎度の如くバンッとリナさんによって勢いよく開け放たれる




「おぉっ!娘さんも無事じゃったか!」


なるほど。巨大ドワーフ王子様‥‥流石リナさん言い得て妙と言える


そこにいたのはがたいがよく、ひげがなかなかに特徴的にふっさふさなオジサン。‥‥じゃなかったオジサマがいた。



リナさん達の姿を見た途端片手をあげ気安そうに話しかける


王子様とただの旅人‥‥って間柄ではなくかなり親しくしているみたい。


まぁアメリアさんとの関係から見てもそれはわかるけど。





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