邂逅 (1/6)
優しい新緑の森の香り‥‥
まだ生きているの?
‥‥森へ棄てられたのかな
「マルチナのせいでひどい目にあったわ」
「誰だ?そのマルチナって」
「だぁあもうっ!だまっとれクラゲ頭!!」
人の声‥‥?
朦朧とした意識の中うっすらと目を開ける
視界に映るのは灰色の掠れた世界。
「リナさん。どーどー落ち着いてください」
「全くだ。」
「にしても自ら呪術を生み出すとはリナさんも恨まれてますねぇ」
「何が言いたいのよ‥‥」
「いえ、何もV」
夢を見ているように遠くに聞こえる声
近付いてくる足音
「‥‥おや?」
「‥‥!
リナさん、人が倒れています!!」
「どうしてこんな森の中で」
「どうやら瀕死の重傷のようですねぇ」
「助かるのか?」
「アメリア!復活(リザレクション)お願い!」
近付いているはずなのにどんどん遠くなっていく声
微かに暖かい光を感じて
それでも世界が遠くなるばかりで
私の意識は再び闇に沈んでいった。