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翌日。朝飯の用意ができたからとまだ食堂に来ていない火神と黒子を呼びに行ったリコの格好を思い出して、千秋は真っ青になるとリコを追いかけた。

「ちょっと、もうみんな食堂…」
「リコちゃんその格好で行くなっ…て…?」

途中から言葉に詰まったのは視線の先に予想外の人物がいたからだ。

「真太郎に…高尾?」
「千秋やっほー」
「あ、おう」

返事をしつつ、つーか会って3回目で名前呼び捨てかよ、と内心で軽く突っ込んで、ここに来た本来の目的を思い出す。リコの右手から包丁を奪い去り、「バカ、」と小言の態勢になる。

「包丁持って歩くなよ。怪我したら危ないだろ」
「あ、ごめん」
「ったく…。まあいいよ。火神と黒子は早く食堂来い。それからリコちゃんは着替えてきなよ。どっかの組長刺した帰りみたくなってるから」
「組長て」

高尾が吹き出す。我ながら的を得た発言だと思う。緑間と高尾に手を振って千秋は食堂に戻った。

***

「あ、私着替えて来るわね」と千秋の言葉に従って部屋に戻ったリコがいなくなると、緑間が口を開いた。

「黒子、聞きたいことがあるのだよ」
「はい、何ですか?」
「お前のところの監督と千秋はどういう関係なんだ?」

それまで何とか笑いを堪えていた高尾が耐えきれずに再度吹き出す。「真ちゃん、その、聞き方は、ちょ、ちょっとヤバい、っかな……!」うざったそうに高尾を見る緑間に、黒子は何でもないように「千秋君とカントクは、」と答えた。

「はとこです」
「はとこ?」
「はい」
「…そんな話は聞いたことがないのだよ」
「そんな真ちゃん、付き合いたてのカップルみたいな、っ……!」
「……もういい。行くぞ高尾」

最早突っ込むことを放棄した緑間は高尾を置いて歩き始める。「ちょ、真ちゃん置いてくなよ」と高尾が緑間を追いかけてその場から立ち去ると、火神が呆然と呟く。

「……何だあいつ…」
「緑間君は千秋君大好きなので」
「はっ!?」
「じゃあ僕たちもそろそろ行きましょう」

火神は不可解そうに首を傾げながら、先に歩き出す黒子について食堂に向かった。


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