ジャンプ+でのネタ

「そういや夏目って弟か妹いんの?」

高尾はそう聞いてから「夏目いなさそーだよな。居るとしたら兄か姉?」とけらけら笑う。
夏目は馬鹿じゃないの、とでも言いたげな目で高尾を見て平然と言い放った。

「居るけど」
「えっ」
「何その反応」
「……だって夏目すごい一人っ子っぽい……」
「意味は分からないけど褒められてないってことは分かった。殴る」
「ちょ、待って待って! ごめんって!」

がし、と腕を掴まれて殴れない。夏目は不満気に顔を顰めるが、高尾は頓着せず興味津々といった風に訊ねてきた。

「え、どっちどっち? ってか夏目って兄弟どんくらい居るの」
「弟1人。今中2だから……もし入るとしたら再来年ね」
「あ、やっぱバスケやってんだ? どう、強い?」
「家族みんなバスケ馬鹿なの。小3からミニバスやってるなりよ」

夏目のそれなりだから期待できるなーと笑う高尾にため息を吐く。確かに自分は運動神経はいい方だがそこまで基準が高いわけでもないから、それなりといえばやはりそれなりなのだ。
まあでも、中2の時のテツヤよりは強いかな__と比べかけて、あの幼馴染は別物だったと思い直す。比べるのはある意味どちらに対しても失礼である。

「アンタは兄弟居るの」
「あっ気になる?」
「まあそれなりに」
「俺はねー妹ちゃん!」
「ふーん」
「棒読みだし超興味なさそうなんだけど!」

高尾に腕を掴まれていたせいで止まっていた作業を再開させる。別に聞いていないこともないのだが、反応を返すのがめんどくさくて何も返事をせずにいると不満なのか、横に座ってねーねーとつんつんされる。非常にうざい。

「高尾、邪魔」
「ひっでー!」
「練習戻りなよ」
「もう終わってますぅー」
「何そのノリ、女子か」
「夏目は女子っしょ?」
「アンタは女子じゃないでしょ?」
「あ、夏目その返し俺好き!」
「何よりだわ。さあ練習してちょうだい」
「イエッサー!」

ぴっとおどけたように敬礼して走ってコートの中に戻って行くと先輩たちに「いちゃつくんじゃねぇ死ね」とボールを投げつけられていた。まったくざまあないね。
というか第一いちゃついてない。いちゃつく相手なら他に……と思い返して自分の乙女思考に恥ずかしくなったので高尾にボールを投げつけておいた。「何でー!?」と悲鳴が聞こえるがこの際無視だ。
__まったく、恥ずかしいにも程がある。


20141015

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