今回の映画は謎解き要素は一切無し。謎解き、推理以上にアクションシーンに比重を置いた作品だったなというのが観終わっての第一の印象でした。特に冒頭のカーチェイス！　あれは素晴らしかったですね！　コナンでは冒頭はカーチェイスやアクションシーンが多いイメージがここ近年では強いですが、もう動く動く。何が起こっているのやらと朧げにしか掴めていない中でもぐっとそこで緊迫感や迫力に引き込まれました。私は漫画を追っていないどころかアニメの方も全話視聴はしていませんが、コナンに対する基礎的な知識と黒の組織編を観ておけばまずついていけないということはない作品でした。
そしてまあコナンに始まり赤井さん安室さん、そして映画初登場の謎の女ことキュラソーのそれはそれはかっこいいことかっこいいこと！　最後の観覧車を止めるシーンでの赤井さんのコナンへの「何か策があるんだろ？」という台詞に私は心臓を射抜かれました。赤井さんかっこいい……！　好きです……！
私はこの映画について譲れないことがただひとつだけあります。それはこの映画でのヒロインが紛れもなく哀ちゃんであったことです。映画ではほぼ恒例の「らぁーん！！」とコナンが叫ぶシーンがなかったのがやっぱり印象に残ってます。今回の哀ちゃんのヒロイン度はやばかった……哀ちゃん好きな方はぜひ劇場に足をお運びくださればと思います……。
それでエンドロールに入る前のキュラソーの死体が運ばれる時。黒焦げになって潰れたキュラソーのイルカのストラップにコナンが言った「思い出さ」という言葉にぎゅうっと胸が掴まれました。中盤の冗長的にすら感じたあの一連の全ての流れが大事な伏線だったんだとその言葉で気付かされた思いです。二度目を観る時はきっとまた違う思いでスクリーンを見つめることになるのだろうなと思いました。
時間があればまた二度目を観に行きたいです。

推理要素はまったくといっていいほどありませんでしたが、お互いの行動への読み合いや先を制する洞察力といった描写は多く見受けられました。ただ少しだけ残念だったのは黒の組織 vs FBI vs 公安といったような三つ巴、まあ下手をすると四つ巴といった内容だっただけに、それぞれの組織からの掘り下げがあまりなかったことが残念でした。もっと各キャラの掘り下げを意識して作ってくだされば途中で冗長的だなと感じることはなかったのではないかと思います。ただ、赤井・安室・コナンという三人タッグでの行動のシーンには非常に熱いものを感じましたし阿吽の呼吸と言いますか、コナンのキーパーソン的立ち位置がよく見えるいいシーンだったなという感想です。
まあ賛否両論あると思いますが、最後にこれだけは言っておきたいのはアクションシーンが非常に素晴らしい映画だったということです。